女らしく【17】『霊剣と妖刀とすれ違い』-2
この間に大和とはろくに喋っていない…
目に見えない溝は、さらに深まってしまった…
顔を会わせても気まずい空気が流れ、お互い何も言わないまま…ということも一度だけではない…
少し…枕が湿った…
ガチャッ…
またドアが開いた。今度は奏だった。
「大丈夫ですの?」
「何とか…」
奏はストンとオレの隣りに腰を下ろした。
「もう…一週間ですわね…」
「……奏…これって遠回しにダメってことなのかな…大和は…オレのこと…嫌いなのかな…」
枕に顔を埋めたまま、奏に問い掛けた。
「考えさせてってことは可能性は0じゃありませんのよ…」
「でも…でも、もう一週間だぞ…大和とは気まずい関係になっちまったし…」
ジワリ、ジワリと枕に染みが増え、広がっていく…
「こんなことになるなら…告白なんてしなきゃ良かった…」
想いを伝えて嫌われるくらいなら…伝わらなくてもいいから大和の側に居たかった…
…片思いのままで良かった…
「…気持ちは分かりますわ。けど、大和にだって事情があるのですわよ…
告白するって貴女がそれを決心したのでしょう?
だったら大和を信じて待ちなさい…」
奏はスッと手を伸ばし、オレの髪を優しく撫でた…
「…大和はマコトを嫌いなわけではありませんわ。きっと気持ちの整理がつきにくいだけ」
本当にそうか…?
「ええ。ですが、大和とはこの間のことを抜きにして話した方がいいですわ。もうすぐ実技試験なのですから、パートナーとの不仲は解消の可能性までありますわ。それにみんなに迷惑も…ですから、頭を切り換えて…」
…筆記は昨日で終わったから今日ぐらいから実技か…
「…分かったよ…何とか大和と話してみる…」
そう言って顔を枕から離した時…
「マコトさーん!奏さーん!実技の内容発表ですよ!理事長室へ来て下さいって!」
ミリィが扉の外から叫んでいた。
「分かりましたわ!…ほら、行きますわよ?」
「…うん」
期末試験…
それはこの学園にも存在する。
内容は大きく分けて二つ。
一つは筆記。これは他と一緒だと思う。
もう一つは実技。これが厄介だ…
力が同じ位のメンバーが何組か集まって一つの依頼を解決するのだが、あまりに成績が悪いとパートナーを変えられることもある…