ピチTローライズなCEO-8
「さ、これに着替えて下さいよ。」
鉄平が都姫に服をわたす。
「え?こ、ここで…?」
「はい。もう裸まで見られてるんだから平気ですよね?」
「そ、そうだけど…」
「あ、でも向こうで着替えて貰って、バーンて登場して貰った方が興奮するかな…。じゃああっちで着替えて来て下さい。」
「う、うん。」
都姫は服を持ち寝室に入る。
(てか、もう着替える事前提で話が進んじゃってるけど、私が嫌だって言わないと決めつけてるよね…。でも、嫌とは言えないけど…)
そう不満に思いながら電気をつけてふと服を見る。
「!?こ、こんな、モロローライズミニを私に着せるの!?」
30歳超えには中々恥ずかしいほど過激なものだった。トップスはヘソ出し肩紐タンクトップだ。しかもレース調の少しエッチっぽく感じる服に戸惑いを見せる。
「…着たくない…」
人目に晒されるのが恥ずかしくて仕方なく思えるファッションだった。
「だいたいこのデニムのローライズ、お尻半分出ちゃうじゃん…。無理だよ…」
まだ垂れてはいないとは思うが、若い頃のようにプリプリもしていないし張りも失われているのは確かだ。いや、気にはしていなかったが垂れているかも知れない。そんな尻を誰が見たいのかと思うと履く勇気がなくなる。
「無理よ…」
頭を抱える都姫に、向こうから鉄平が聞いて来た。
「もう着替えましたか?」
「…ま、まだ…。てか、無理よ…、私がこんなの着たらイタイおばさんだよ…」
「それは俺が決めますから、早く着替えて下さいよ。無理と言う選択肢はCEOにはないですからね?」
「…」
溜息をつく都姫。少し悩んだが、きっと鉄平は多大なる期待を抱いているだろうから、イメージと違った姿を見てがっかりすれば、自分に過激なファッションを着させる事を諦めるかもしれないと思った都姫は、取り敢えず着てみる事にした。
シャツを脱ぎスカートを脱ぐ。そしてパンティストッキングを脱ぐと、白の下着姿になった。
(フーッ、着るか…)
都姫はまず肩紐タンクトップを着る。ブラジャーの収まりが悪いが、ノーブラになる事には抵抗があった為、そのまま着た。そしてデニムのローライズミニを履くと姿見で確認する。
「や、ヤダ…、誰よこれ…」
まるで自分じゃないようだ。こんな服など着た事はない。都姫は気になる尻を見る。
「あ、思った程垂れてないかな…。じゃなくて!こ、これは恥ずかしい…」
30歳にもなってこんな服を着るとは思わなかった都姫は顔を赤面させた。