温泉旅行の募集-2
バスに乗り込むと、前に乗っていた男性たちは早速クーラーボックスからビールを出して、それぞれ持ち寄ったおつまみなどを食べながら飲み始めました。
後ろに陣取った女性たちは、持ち寄った茶菓子を食べながら賑やかに楽しく話をしていました。そのうちに京子さんが私に、「あなた、ほんとにこの旅行の趣旨を理解しているの?」と聞いてきました。「は?旅行の趣旨?」 京子「そう、慰安旅行って言う意味よ。」 私「は?慰安旅行?」 京子「この前言ったでしょう、私。「フリーの女性」の日ごろの労をねぎらうための旅行って。」 私「え!フリーの女性の労をねぎらう?」 京子「そう、フリーの女性が対象なのよ。あなたご主人がいるのに来ても大丈夫なの?」 私「え〜!それって、もしかして・・・。」 京子「そう、このバスに乗っている女性を男性たちが慰労してくれるのよ。一泊二日で。」 私「え〜!嘘!ど、ど、どうしましょう?」 京子「まあ、いいんじゃない、乗ってしまった船だから引き返せないし、楽しくやりましょうよ。だって、ほら男性陣はあなたがいるだけで凄く盛り上がっているわよ。ご主人には内緒にしておいてあげるから、ね。」とニヤリとしながら言って来ました。
私はとんでもない旅行に参加してしまって、この後どうなるのか不安で仕方がありませんでした。
バスが学校跡地を出発して2時間ほどして目的地の温泉旅館に到着しました。
「やれやれ到着しました。さっきも言いましたけど今回も旅館は貸し切りで他のお客さんは誰もいません。どんなに騒いでも大丈夫ですから、みなさん今回も楽しみましょう。」と会長さんが挨拶してみんなはそれぞれ着替えの入ったカバンを持って旅館に入って行きました。私は、今更引き返すこともできず、京子さんに手を引かれて中へ入って行きました。