ずっと、探し続けてる。真実だけを。-1
「本当に続いた…」
「何をそんなに驚くことがあるのだ? まあ、いい。 本題だ」
白鳥は一度咳払い。しきり直す。
「プロト因子が蓄積しすぎると次の二つの結果が考えられる」
ゴクリと唾を飲む。
「まず、第一に自体がドミド化するという可能性。 第二に蓄積されたプロト因子が体外に何らかの形で排出されて、その塊がドミド化するという可能性」
「その何らかの形ってなんだ?」
「今、考えられる可能性は 宿主が死又はそれに近い状態になる。何故ならプロト25が消息不明になっているからだ」
寒気を感じる。ただでさえ、なぜ自分にプロト100が入っているのか気になるところなのに。それが原因で死ぬと言われちゃたまったもんじゃねぇ。それに、ドミド化するのも御免だ。
「まあ、プロト因子がどの程度蓄積するとそのようになるのかは不明だが…。 君の場合は日常での能力使用をひかえているから問題ないとはおもうが」
それだけ言うと白鳥は丸イスから立ち上がり帰宅の意志を見せた。
「何か分かったらまた来る。 まあ、どうせ明日には退院だろうが」
背中越しに手を挙げて扉から出ていった。
再び独りになった。
今度こそ寝ようと横になったが、あんな話の後だったため寝付くには時間をようした。
窓からは日差しが差し込み。すぐ近くを通っている高速道路を浮いている車のバックミラーが反射してまぶしかった。
〜緑目線だよ〜
「広樹さん大丈夫かな?」
学校の廊下。広樹さんを看ていたので午前中の授業は欠課したが。午後の授業には出る事にしたからである。
「まあ大丈夫だろうな。 あのようすだったら明日にも退院するんじゃないか」
凪ちゃんは頭の後ろで手を組み。イスを傾けていた。
言ってなかったと思うけど、凪ちゃんとは同じクラスなの。
「よろしいでしょうか?」
西野城さんが笑顔で横に立ったいた。
「なんだ?」
「その、好野君の事で」
私は西野城さんにかみつくぐらいの勢いで近寄った。
じっとにらむ。
「オシエテ ヒロキサン ノ コト」
「何故 片言なのかは置いておきますね…」
皐月ちゃんは笑みこそ崩さなかったが真剣な口調で私を卒倒させるには充分すぎるぐらいインパクトのある事を言い放った。
「な、な、なぁ」
「好野が!」
「はい、信じたくはありませんが…」
広樹さんがドミドになってしまう。 私の中でその言葉がこだまして。意識はダイナマイトが吹っ飛ばした。
〜凪目線なのだ〜
「好野はそのことを知っているのか?」
「会長が知らせに行かれました」
皐月はうなずいて肯定した。
私は机に突っ伏したまま動かない緑に目をやった。
やれやれ。
「皐月」
「なんでしょう?」
「緑を保健室につれていくのを手伝ってくれ。 こいつ見た目以上に重いんだ」
皐月は優しい微笑みを浮かべ首を縦に軽く振った。
〜続く〜