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月灯り
【寝とり/寝取られ 官能小説】

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ことの後-1

 妻のその部分を舐め回す男とは逆に、私は、触れるか触れないかという優しさで妻の髪や肩、顔などを愛撫した。いや、ほとんど触れてはいないので、それは、愛撫とは言えないかもしれない。私は妻の耳に口を付け「君が妻で本当によかった」と、囁いた。もちろん、男にも聞こえていたことだろう。
「ベッドで、全部出してもいいの」
 妻が言った。
「そうだね。そうしてあげなさい。ただ、そのためには、彼の顔の上に跨るしかないだろうけどね。顔面騎乗だね。まるで女王様のようだけど、でも、それを君はしたいんだろう」
 少しばかり恥ずかしい台詞だが、その時には、そんなことは感じていなかった。おそらく、私も妻も、そして、男も、普段の自分とは別の何者かに成りきって何者かを演じていたからなのだろう。
 だからこそ、妻も、自然なままに、男の顔に股間を押し付け、そして、二人分のそれを男の口に放出出来たのかもしれない。
「見て、アナタ、この人の顔。私のオシッコと愛液と、二人分の男のスペルマでぐしゃぐしゃになってしまっているのよ」
「その顔は、醜いと思うかい」
「ううん。可愛い」
「君はやっぱりSのほうが性に合うんじゃないのかな」
 私は、三人が乱したベッド、三人の淫乱な匂いの沁み込んだベッドで、彼は今夜、寝ることになるのだろうな、と、そんな想像をした。そして、おかしなことに、私のほうは、妻と二人で家に帰るというのに、そこに残される彼を少しだけ羨ましいように感じていた。その感覚が少しばかり奇妙であることは分かったのだが、羨ましい、どうして、そんなふうに感じるのか、その理由は私には分からなかった。


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