三人の絶頂-1
不思議な光景だった。私のすぐ下で絶頂に達しようとしている妻がいた。すでに私は妻の深奥に、まるで未成熟な若者のような量の精を放出していた。そして、その放出の振動に合わせるように妻が絶頂に昇りつめようとしていた。もっとも、そこまでは、珍しい光景ではない。珍しいのは、そのさらに妻の下で、まさに、男も絶頂に達しようとしていたということなのだ。
「も、もう、限界です。お許し、あ、すみません」
男の意味不明な言葉の後に、妻の快楽とも苦痛とも分からない声が部屋中に響いた。そんな大きな声を出す妻は、セックスではない、別のシーンでさえ見たことがなかった。常に大人しく、怒鳴ることもなければ、大笑いすることも、ほとんどない妻だったのだ。そんなに大人しいと、いざ、助けが必要な時に、私には聞こえないかもしれないよ、と、言ったことがあったほどなのだ。
妻の中で果てたにも関わらず、まだ、大きさを保ったままの私のそれに、男の熱いそれが脈打つのが伝わった。流れ行く男の精を感じたような錯覚があった。そして、男は、大きく身体を振動させたので、そのために妻も私も揺らされることになった。その上下動のために、最初に力を失っていた私のそれが妻の嫌らしい力によって追い出された。
「す、すみません。な、中に出してしまいました」
「慌てなくても大丈夫ですよ。そうしてもらおうと最初から、そう思っていましたから。妻も満足していると思います。もう、口も開けないようですが。さあ、それよりも、二人分のこれを掃除しようと思うのですが、私がしましょうか」
「い、いえ、すぐに私が吸い取ります。ご主人様の分まで私が飲ませていただきます」
もう少し余韻を楽しみたいだろう妻のことは気にせずに、男は、早々に自分のそれを抜くと、そこにいた私さえも突き飛ばすようにして、妻の股間に口を付けた。行為はM男のそれかもしれないが、その態度はSなのでは、と、私は思ったのだが、同時に、そこまで妻に尽くそうとしている男がいることが嬉しいようにも感じていた。
最後まで、慌ただしい、落ち着きのない男だな、と、そう思いながら、仕方ないので、私は、そっと妻の後ろに回り、ぐったりとしている妻の身体を抱くようにして、その下半身をベッドに引き上げた。妻はベッドに普通に仰向けとなり、男は、やっぱり、わたわたと慌ただしく妻の股間を追ってベッドに乗り込んで来た。その様子は少し滑稽だった。
「足を少し拡げてあげるといいよ。彼が君の中のものを全て飲んでくれるそうだから。無理はしなくていいけど、ゆっくりと中のものを出してあげなさい、彼がそれを飲めるように、ね」
そう言いながら、私は妻の膝を持ってそれをずらし、足を開かせた。妻のその部分は乳白色の固形物で汚れていた。男二人のそれは、まだ、奥にあるはずなので、それは妻自身の羞恥の汚れ、悦楽の汚物に違いない。しかし、男はその汚物を舌で拭い取り、それを胃の中に納めて行った。