第二十三章 帰還1-3
「裕君・・・」
夫は身体を起こすと、ゆっくりと近づいてきた。
藤本さんも私から離れ、かおりさんの元へゆく。
二人の男達は笑みを交わし、互いのパートナーの元へ帰っていった。
秋生さんと新藤さんも同じように、すれ違っている。
「映見・・・」
裕君の腕が伸び、私の頬を撫でる。
「裕君・・・」
自然に重なった唇が、私の声を飲み込んでいく。
私は仰向けになり、夫の体重を嬉しく感じながら背中を抱きしめた。
二人の舌が互いを求めるように絡み合っていく。
(裕君・・・裕君・・・)
涙があふれ、夫と私の頬を濡らす。
戻ってきた温もりが嬉しかった。
「映見・・・好きだ・・愛している・・・」
囁きを心地良く繰り返してくれる。
「映見・・・映見・・愛している・・好きだ・・・」
何度も何度も。
「好き・・・裕君・・大好き・・・」
私も繰り返す度に、ギュッと愛しい背中を抱きしめる。
チラリと横を見ると、そらさんと秋生さんも同じよう抱き合い、唇を重ねていた。
きっと、かおりさんや桜さん達も同じだろう。
夫以外の男達と交わった興奮の後には、言い知れぬ不安が私達、女の心に忍び込んできた。
再び夫の温もりに抱かれた瞬間、消え去ってくれた歓びが私には何よりも嬉しかったのだ。
男達も同じなのかもしれない。
裕君が抱きしめる腕の力は強く、決して手放さないという気持ちが伝わってくる。
三人との激しいセックスのあと。
四人目の優しいセックスが、これから始まろうとしていた。