第二十二章 ハグの温かさ-1
第二十二章 ハグの温かさ
裕君の温もりが心地良い。
夫に抱かれながら眠る幸せを、私は噛みしめていた。
「映見・・・」
「裕君・・・」
夢の中でも私たちは互いを見つめ、名前を呼び合っていた。
深い霧のような眠気が私を包み、身体の中の疲れがじわじわと流れていくのを感じる。
どれほど眠ったのだろうか。
カーテンの隙間から、差し込む光の筋が見えた。
「おはよう・・・」
ボンヤリした意識の中に、優しいささやきが注がれた。
愛おしい微笑みを見つけると、キスしようと近づく顔をよけて裕君の胸に顔を埋めた。
猫が甘えるように頬をこすりつける。
「フフフッ・・・」
むず痒さを感じたのか、裕君は小さく笑った。
そのまま抱きしめてくれたのが嬉しくて、私も夫の背中に腕を廻しギュッとした。
温もりって、何て心地良いのだろうか。
ずっと、ずっと、こうしていたかった。
裕君も同じ気持ちでいてくれたのか、暫らくの間、二人は抱き合っていた。
私はハグの温もりの中、二人の愛の絆を確かめていた。
あの時、感じた強い気持ちは一生、忘れないだろう。
三人の男達に犯された後、戻ってきてくれた愛おしい夫に抱かれた瞬間を。
そう、私達は互いのパートナーを取り戻したのだ。