find out-8
「あっ、あんたあの石どうしたのよ!」
織華がすごい不思議そうな目をして聞く。
「あれ石じゃねぇよ、俺が昨日発泡スチロールで作った石34号だ」
「はっ、発泡スチロール?」
たしかに言われて見れば・・・いや石だ。
「とりあえず中に入れよ、見つかっちまうぜ」
洞窟の中は以外に狭かった。
俺ら4人で体育座りでほぼいっぱいだ。
「この洞窟、と言うか穴は作ってないわよね?」
「ん?もちろん手作りさ」
すげぇ、やっぱりコイツこういう事になると止まらねぇな。
「もうそろそろ相手も動き出したかな」
「そうね、とりあえず狭いなぁ」
織華が身じろぐ。
そして、話すこともないまま、数十分。
そろそろ飽きてきたな、と思い出した矢先、蓮が石の隙間から辺りを見てから石を動かし始める。
「おい、どこ行くんだ?」
「んー、俺は他のクラスメートの洞窟も見てこなきゃいけないんだよね」
「他って、まだあるのかよ、」
「それじゃ、くれぐれも出ないようにね」
と言って、蓮は出て行った。その数秒後に蓮の叫びが聞こえたのは気のせいだろうか。
「多分捕まったね、蓮」
「やっぱり気のせいじゃなかったのか、あの叫び」
「私耳いいもの、頼りにしてもいいわよ」
と言って少し得意げの織華。
「んな、頼りなん」
「急用」
俺の言葉が絵実によって消された。
「きゅ、急用って?」
織華が少しあわてた様子で聞く、しかし絵実は。
「ここ、動かないで」
と、だけ言って行ってしまった。
「・・・・・」
「・・・・・」
うーん気まずい、ここは俺が話振らなきゃ駄目かなぁ、なんか織華元気ないし。
と、ちらりと織華を見る、すると織華と視線がぶつかり、織華はすぐ顔をそらしてしまった。