find out-5
「だいぶ遅くなったな」
俺は星空を見上げる、この様子だったら明日もバッチリ晴れそうだ。
「そうね、絵実が止めてくれなかったらもっとでしょうけど、感謝感謝」
隣には織華、蓮と絵実はまったく別方向なので、織華と一緒に帰ることが多い。
「そうだな、しかし俺はあの一瞬なかなか忘れられそうにないな」
「私も。すごい力よね、蓮止めるのって。、ビックリしちゃった」
「そりゃビックリするわな、俺なんて泣けてきたからな」
「えっ、そんなんで?感動するの低いなぁ、フランダースの犬とか見たら一発だね」
「いや、それはない」
「なんでー」
この後もこうやって他愛もない会話で帰り道を進む。
「・・・」
「どうしたの、いきなり黙っちゃって」
「いや、平和だなぁと思って」
それを聞いたとたん織華が笑い出す。
「なに言ってるの、歩らしくないじゃん」
「そ、そうか?」
「そう、だけど少しうれしいかな」
織華はすぐに笑みを消し少し悲しそうな顔になる。
「・・・?」
「わたし、さぁ」
「うん?」
急に真顔になり無言状態になった織華、こういう時はいつも悪い報せ、いやだなぁ。
「・・・・」
俺は次の言葉を待つ。
「やっぱりいいや」
緊張が一気に解け、いつもの織華に戻る。
「なっ、なんだよ」
少しホッとした、こんな時に嫌な報せは聞きたくない。
「じゃ、また明日、かくれんぼ絶対勝とうね」
織華は家に走り出す、その後姿には、やっぱりなんとなく不安がよぎった。