30)身体検査2(4)-1
30)身体検査2(4)
〜 ちくびのぼっきおさせてください 〜
雄一の鼓膜を、少女の口から発した音が震わせた。
分かっているくせに、雄一の頭がわざとゆっくりと意味を考察する。
「 え〜っと、 まず ちくびのぼっきお か… これは多分、 乳首の… まではこれでいいけれど、その次は… う〜ん、 ぼっきお とは… まるでイタリア人の名前だなあ… んっ、待てよ… ぼっき は 勃起 か… すると、 お は、 を だな… と言う事は… 」
わざとらしく頭を動かしながら、ようやく、頭の中で「 乳首の勃起を 」が形になり、その続きは ほとんどそのままでいい事が分かった。
「 んっ! 何だって! つまり、みさきは 『 乳首の勃起をさせて下さい 』と、オレにお願いしているという事か… 本当にいやらしい小6だなあ… 」
これらの問答は全て雄一の脳内での出来事だから、時間はほとんど掛かっていない。それでも、雄一の気分を盛り上げるには十分な効果があった。
「 みさき… 少し言葉づかいが変な部分はあるけれど、だいたい、言いたい事は分かったよ… つまり、ぼくに直接、みさきの乳首を勃起させる為に、そこの勃起していない方の乳首を弄(いじ)ってほしいんだね… 」
乳首を『いじる』…
その言葉は、具体的な事は何1つ考える余裕も無く、ただ、雄一にお願いしていただけの みさき にとっては、あまりにも刺激的な音の響きであった。
そう言われると、それは既に何となく気付いていた事だった様な気がする。それでも、具体的な、その『方法』が浮かばなかった自分が悪いのだ、とも思えてくる。
みさきの… 11歳の少女なりの思考と理性を、今の現実が簡単に圧(お)し潰していく。
理屈が分かりかけているのに、現実に潰された思考が バラバラ になっていく。
そして、ほとんど無意識に… 首を縦に1回… 動かしていた。
「 う〜ん、みさき… きちんと言葉でお願いするのは難しすぎるのかな… やっぱり、見習いにもなってないから、無理なのかあ… じゃあ、仕方がない。 特別に言葉を教えてあげるから、その通りに言ってみて… 」
みさきが、何とか動かせる首の筋肉を、また1回、縦に動かしかけてから、慌てて口で、小さく「 はい… 」と音を出す。
「 じゃあ、いいかい… 1度しか言わないからね… 『 先生の指で、直接、わたしの乳首を弄(いじ)って勃起させて下さい。 子どものくせに、こんなに 恥知らずな お願いをする いやらしい わたしに、罰を与えて下さい 』 」
11年と数か月の人生の中で、1度も聞いた事が無い様な下品な言葉が、列を作って次々にやってきた。
しかし、それを受け止めきれるはずもない少女の頭の中を、そのほとんどが素通りしていく。もちろん、それは、やむを得ない事である。
それなのに… 言葉は去っていくのに… 意味だけが… みさきの脳内に引っ掛かって取り残されている。
そして、そんな、あやふやな記憶だけを頼りに、みさきは言葉を形にするしか無かった。
「 せんせいの おゆびで 直接に わたしの いやらしい乳首を 弄(いじ)って下さい… えっと… それから… えっと… こどものくせに こんなにいやらしい わたしの乳首に 罰を与えて下さい… 」
いろいろと、つっこみどころだらけの、そして、原文よりも遥かに いやらしい 言葉が、みさきの… 11歳の少女の口から流れ出して来た。しかし、これでは、雄一の『 模範解答 』と比べると、間違いだらけなのも事実である。
立場上、指摘せざるを得ないであろう。
「 みさき… 今のだと、半分以上も間違ってるよ… けど、まあ、仕方ないよね、自分で考えた言葉なんだから… だから今の言葉、自分でもよく覚えておくんだよ… みさきがお願いした通りの事をしてあげるから…
でもねえ… やっぱり間違いが多すぎるからねえ… これだと罰は、乳首だけじゃ足りなくなってしまったなあ… そうすると、乳首よりも難しい所かあ… う〜ん… やっぱり おまんこ にも罰を与えないといけなくなってしまったなあ…
仕方ない。 じゃあ、その事を、今すぐ自分の口でお願いしてごらん… 」
脳内が真っ白にショートしていて、湯気が噴き出ている表情のまま、少女の口が勝手に動いてしまう。
「 わたしの いやらしい おまんこ に… あ… ちが… えっと… わたしの こどものくせに こんなにいやらしい おまんこ にも… 罰をお与えください… 」
11歳の女の子が、男の前で『 おまんこ 』と戸惑いも無く連呼しているのがおかしくて、笑いをこらえながら、雄一が言葉を返す。
「 うん、言いたい事は伝わったよ。 自分で考えて言った言葉なんだから、みさきもしっかりと罰を受けて、自分の責任を取るんだよ。
まずは、みさきの乳首を弄(いじ)ってあげるから、しっかりと勃起させるんだよ…
乳首の『 罰 』が終わったら、その次には、みさきにお願いされた、その『 いやらしい 』『 おまんこ 』 も、じっくりと弄(いじ)って、しっかりと罰を与えてあげるからね… 」
11歳の少女は、その言葉を聞くと、また反射的に、
「 ありがとうございます。 お願いします。 ありがとうございます 」
と、繰り返してきた。
つまり「 おまんこを弄(いじ)ってやる 」と、全裸の11歳の美少女に言ったら、お礼を言われているのだから、傍(はた)から見たら、かなり奇妙な光景であろう。
実際、雄一自身も、そう思っている。