わたしのお姉ちゃん-1
セックスにはまる少し前まで、どうしてこんなに夢中になるのかがわからないほどに夢中になってやっていた、Pythonでのスクレイピングでのデータ収集、Pandasと機械学習を使ったSQLに依存しないQuery……「お姉ちゃん、今度はあたしがお姉ちゃんを救う番だよ……」お姉ちゃんを悲しませたことはツラいけど、きっとこの時のためにあたしはこんなにがむしゃらに投資に夢中になったんだって、「おとうさん、ありがとうございます、株式投資の勉強のためにってPCと資金を与えてくれて」お父さんから渡されていた資金30万円と中古PCとモニターが百合子の武器だった。
Seleniumの自動操作で何度もデータをダウンロードし、機械学習ライブラリで回帰の結果を求め、その結果を格納させていき、売買データを蓄積していくPC、画面がチカチカせわしなく動き続ける、時にダウンロードしたデータは解析が終われば自動で破棄され重くなることもない、そんなシステムを彼女は作り上げていた。
姉が学校から帰ってくる気配がし、一緒に食事をとった後、「お姉ちゃん後で私の部屋に来て」と姉を誘った、
「彼のことだったらあんたに任せたでしょ、なに、なんなの?」
半ば強引にPCのマルチモニターの前に座らせ、「ちょっとみててね」というが早いか操作が早いか、証券会社のサイトから彼女の証券口座の余力金額と時価総額を見せた。
「ちょ、ちょっとこれって……」
さやかが目を丸くするのを、見流さない百合子、彼女は嬉しかった、
「ね、ちょっとした額でしょ?」
「あ、ちょっとしたって、ってとんでもない額じゃないの!」
あんぐり口を開けた姉を見て、鈴のようにわらう妹、余力資金¥2,500,154 時価総額¥9,754,804
「ね、お姉ちゃん、このお金を使って子供を産んでよ、そして進学しよーよ、あたしが応援するから」駄菓子菓子、姉のそのあとの反応は冷ややかなものだった、
「こんなことして、あたしに勝ったつもりなの? 逆にあんたのそんなところが心配よ、小学生のくせにこんな大金をもっておかしくなっちゃったの? 彼を寝取ったくらいでいい気になってるんじゃないわよ!」
その言葉は有頂天になっていた妹の横っ面を叩かれたようなばつの悪さで、
「お、お姉ちゃんそんなつもり……」
「じゃあどんなつもりだっていうの?」