第二十三章 香奈子様へ その2 (初めてのフェラチオ)-9
『香奈子・・・』
右手を頬に当て、コックをはなさせた。
『あはぁ・・・』
興奮しているせいか、切れ長の瞳は焦点を失たようにボンヤリと見つめている。
『いいんだよ、香奈子・・・もう、いいんだ・・・』
最初、何を言われているのか理解出来なかった。
『お前は十分、良い子だったよ・・・
でも、もういいんだよ・・・』
優しく頭をなでられるうちに、言葉が染み透る気がした。
『本当・・・・?』
香奈子の瞳が、輝きを取り戻していく。
『ああ・・・本当さぁ・・・』
おどける口調に、クスッと笑みを浮かべた。
『もう、良い子でいる必要はない・・・
無理しなくていいんだよ』
竹内は巧みに言葉を操りながら、自分に都合がいいように誘導していく。
『うん・・・』
香奈子は幼い少女のように、うなずいた。
『嬉しい・・・』
白い歯を零す香奈子は、幸せな気分に浸っていた。
幼い頃から受けた厳しい躾は無邪気な欲望を閉じ込め、良い子を演じるために心は無意識に縛られていた。