文化祭の出会い-4
そのころ文化祭で倒れた百合子の姉あやかが、文化祭の後かたずけに追われていた、救護班としてのヒロヤとは別行動の実行委員で、彼の彼女だ。
「ねえあやか、ちょっと休もうよ」実行委員の一人が声をかける
「そーだね、小休止しようか」
冷えた麦茶をみんなで回し、一服するあやか達、まだ五月になったというのにこの暑さは堪える。
「そういえばヒロヤ君帰ってこないけど、あやか探しに行ってみたら?」
「そーそー、こっちはあらかた終わったら撤収するつもりだし、あんたこの後打ち上げだって言っても……どうせ来ないでしょ? 彼といるほうがいいもんね?」そう言われ少し反省するあやかだ、付き合いもバランスがあるのだ。
「ごめんねみんな、次は付き合うからね」
そういいながらも、帰ってこない彼のことが気がかりだ、もしかしたら妊娠したかもしれないあたしに最近冷たいのは、彼にばっかり付きまとうあたしのせい? でも年下の彼のことが今は心配なの。
職員室の角を曲がり、先生が一人も残っていないのを見ながら、「実行委員任せってのもね、自主管理っていった人手不足なのかな?」等つぶやきながら玄関を通って、ピロティ先にある別校舎、の保健室に近づいていくと……