カルト教-1
宗教を心のよりどころとする人がいる。
宗教を欲望の道具に変える人もいる。
宗教を悪魔の住処に変える人がいる。
宗教を魔法のよりどころとする人もいる。
私はそんな人たちに救いを与えたかった。
教祖と呼ばれるのも仕方なかった。この世界にはほかに適当な名前がないのだから。
わたしの力は、ある部分で勝っている。しかし、人とはいろんな側面を持っている。
だから、わたしも助けられなくてはならなかった。
私はただ、互いに救われたいと願ったのだ。
救いを求める参拝者は、患者ではない、結果は似ていても、わたしは医療行為を行ってはいないのだ。
「脱ぎなさい」怪我をして足の動かせない女に言った。
「えっ、脱ぐのですか」 どうしようかまよっている。
「体の疾患というものは、その場所だけとは限らない。いろいろな可能性を調べなければならないのです」
当番信者の前で服を脱がせ、裸にする。
青い長衣を着た信者が「調べます」と言って、優しく、丁寧に女を抱いた。
時にはセックスも大切だ。肌を触れ合うということは、ほとんどの場合、人をリラックスさせ前向きにさせる。
精神と肉体は常に良い方向へバランスを保たせておかなければならない。
男性の参拝者の場合は、うちの女信者に相手をさせることもある。
それもまた修行となるのだ。
祈祷の一環として、文句を言う参拝者はいなかった。嫌なら黙って帰ればいいのだが、私の実績がそれを押しとどめた。
最後に私がそれぞれの悪いところの回復を祈ってやるのだ。
その結果としての『癒え』がくる。
動けなかった女は、自分の足で歩いて出て行った。
その喜びに感謝のお布施を受け入れていた。
ドウツは私にだけ言った、
「女の参拝者は男信者の糧となる。
女信者の体は男たちの餌となる
女信者の心は教祖がよりどころとなれ」
これはカザミ・ループという世界の中で、多次元世界のように同時に起こる、似て非なるアダルトな夢の深みを綴ったものだ。
カザミ・テイル1
カルト教団