カルト教-17
「言わぬならよい、あぶり出してやる」女の乳房を握る。女としての反応がない。下腹部に触れても同様だ。
女の足を開かせた。
「挿入されても女としての反応が出ないなら人とは言えない」突き入れた。
「痛ぁい」女は絶叫する。手加減しすぎたか、入り口が硬くて入らない。
一度離れて、女の股にたっぷり香油を流しこむと、「しっかり押さえよ」信者に活を入れる。
そしてもういちど、一気に突き入れた。開こうとしない壁を無理やりねじ込み、突き動かして、「悪魔よ去れ」女の悲鳴に負けずに叫ぶ。
「おまえらも祈りを唱和しなさい」信者に言う。
「悪魔と魔女は性交でつながっている。こんなに強い結合は、同じようにして、体の外と中から呪縛を解いていくしかないのだ」
血をにじませる女に入れ続けた。
乳房はまだ固く熟していない。まだあまり揉まれたこともないのか、ただ痛がっている。
円すい形の乳房の先に飛び出す乳首も快感のせいではなく、ただの刺激に間違って出てきたようだ。
そこをねじられては、痛いと叫ぶ。さっきのような我慢はしてもしかたないとわかったのだろう。
それとも悪魔に、喜びを苦痛とすり替えられているのかもしれない。
女の悲鳴と。パンパンと尻に当たる音と祈りの声だけが部屋に響いた。
急に女が暴れた、悪魔の最後のあがきのように暴れる。
「おとなしくしなさい」教祖様が首に手を掛けた。
首を絞められ、のたうち苦しむ体に入れ続けた。
やがて女が暴れるのをやめた。その後、教祖様は体の奥に神の糧を流し込んだ。
「ゆっくり浸透させ、浄化されるがいい」
女は動かなかった。が、息もない。
「残念だ。間に合わなかった。悪魔が深く入り過ぎていた。体が耐えきれなかったのだな」
「これをボイラーで焼いてしまいなさい。灰は海に捨てなさい。せめて、自然に帰してあげましょう」
運ばせた。―――――
「まさか」カザミが教祖を見た。「本当か。なんとか言え」
私はしゃべれない。
前に、いなくなった娘のことを直接ドウツに聞いたことがあった。
ドウツはあわてもせず、「教祖様は何人未成年の少女を抱かれました？。いやがる乙女たちをでございますよ」
「乙女？ 悪魔憑きではなく、か？」
たしかに、警戒しながらも、ドウツの言葉をうのみにするようになってしまっていた。
「まあ、それも息抜きには良いことでしょう」意味ありげに微笑んでくる。 「いかがでしたか、あなたは少女たちの強姦犯となられた。さらにその中にカザミの妹がいたとしたらどうしますか。信者が泣きますね」
「なんだと。どうすればいい」
「済んだことは戻せない。新たなことでつぐなえばいい。私のすることを見ていなさい」
ドウツに取り込まれてしまっていた。
いや、前からそうだったのだ。認めなかっただけの話なのだ。
だが、今の話は初めて聞いた。≪違う、そんなことはしない≫ しかし、心も、ナイフのささった体も、苦しくて声が出せなかった。
「おまえが教祖でしょ」魔女がドウツを見てとまどっている。
「私は、違う教祖様はそいつだ。服を見ろ、私はただの青信者だ」
「教祖のふりしてたんだ」
「違う。身代わりにさせられていたんです、仕方なくさせられていたんです」ドウツが逃げ出そうとする。
さすが頭の回転が速い。魔女が誤解していたとわかった瞬間の変わり身だ。
「全部その教祖様の言いつけなのです」
「教祖様、どこまで卑劣な‥」カザミが私を手荒く起こした。
私の胸からタールのような黒いどろどろの血があふれ出てきた。
魔女が走ってきて、傷口を押さえる。
「持っているでしょ。［書］を返してちょうだい。独り占めなんかしないから」
私にはわかった。血管を収縮させて流れ出るのをおさえようとしているのだ。
しかし完全には止まらなかった。傷が深すぎるのだ。