第十七章 キスの味(画像付)-1
第十七章 キスの味
「んぐぅ・・・」
ネットリとした感触が唇を覆う。
「おほぉ・・おおっ・・・・」
荒い息で貪る竹内の顔が間近にあった。
(いやぁ・・・・)
おぞましい事実に反射的に目を閉じた。
ヤニ臭い味が口中に広がっていく。
「ふぐぅっ・・・んぐっ・・・」
首を振り、必死で逃れようとする。
「い、いやっー・・・」
唇が離れると、細い腕で突っ張り男の顔を遠ざけようとした。
「ああっ・・・」
だが、呆気ない程に香奈子の両手の自由が奪われてしまう。
「ククク・・・」
男は笑みを浮かべながら、左手一本で細い手首を掴んでいる。
「い、いた・・・い・・・」
余りの力の強さに顔をしかめ、苦しそうに声を漏らした。
「どうした・・・もう、おしまいか?」
からかうような口調に、香奈子は怒りを感じた。
「はっ・・・離してっ・・・
あなたなんか・・・あなたなんか・・・」
目に涙をためて睨みつけている。