愛する女の為に-9
次の日、ちょっとしたファッションショーが行われた。ファッションショーと言っても昨日彰らが考えたホームページ更新用の企画を説明する為のもので、萌香が普段、新作、そして彰がチョイスした服に着替えるだけだが、萌香の中ではそれに相当するぐらいの緊張を覚えた。萌香が着替えに行っている間に彰がみんなの前でコンセプトを説明する。
「今回は萌香ちゃんをモデルにして、普段の私はこんな感じ、でも少し冒険してみたらこんなにイメージ変わります、そんな提案です。これから毎月、月替わりにスタッフの皆さんをモデルにしてさまざまなイメチェンをしていけたらなって。例えばキャリアウーマン風の紗理奈さんがふんわり女子になってみたり、ギャル風の美雪さんがお嬢様風になってみたり、新作衣装を使って今の自分とは違う自分の発見をテーマに取り組んでいけたらなって思います。」
彰の提案は概ね好意的に受け入れられた。
「私が森ガールとか、想像した時なかったなー。普段絶対着ないから、こーゆー企画でなきゃ着れないもんね。次は是非私をモデルにしてね？」
「は、はい！ありがとうございます。」
これまで散々虐められて来た紗理奈からの言葉が嬉しかった。私も、私も、と、何にイメチェンしてみたいか目を輝かせながら口にする社員らを見て満足気な表情を浮かべる都姫に鉄平が言う。
「俺、CEOのゴスロリとか見てみたいなー！」
その表情が一変する。
「ご、ゴスロリ！？わ、私が…！？さ、30超えた私がゴスロリって…い、イタイわ…」
だが社員らは声を上げる。
「見たい見たいー！」
「似合いそー！」
「イタくないですよー！」
囃し立てる中、また鉄平がろくでもない事を言う。
「へそ出しピチTにお尻プリプリローライズポッパンとか！」
「へ、へそ出しプリプリローライズ…！？」
もはや唖然とする都姫だが、みんなは大喜びだ。
「見たい、見たい！ゴスロリよりそっちの方が似合うかもー！」
後退りしながら拒否する都姫。
「無理よ！無理！わ、私はいいからみんなで頑張りなさい！こ、これ以上言ったら減給よ、減給！！」
「えー！？」
そんな様子に夕梨花はケラケラ笑っていた。
そんな和気藹々とした雰囲気の中、まずは新作のＶネックスリムカーディガンとマイクロミニに見せ下着を身につけた萌香が登場する。