第十二章 二度目の訪問(画像付)-5
「フフ・・・・
冗談よ、パパは何時もお仕事で大変なんですもの。
でも、この頃毎晩遅いから・・・・
たまには早く帰ってほしいな・・・」
さびしそうにうつむく娘が、いじらしく思える。
「ゴメンゴメン、
出張から帰ったら暫くは家でゆっくりするように
するから・・・」
「約束よ、パパ・・・」
「あ、ああ・・・・」
だが、圭子の純真な眼差しを晴彦は真っ直ぐ見られなかった。
「じゃあ、いってきまーす・・・」
校門に走り去る娘の後ろ姿を複雑な表情で見守っていた。
妻の若い頃にそっくりだと思った。