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恋愛経歴書
【女性向け 官能小説】

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9 建築デザイナーの人-1

サチはこの日もネットの掲示板を見ていた。
面白い書き込みがないかと探していたのだ。

「飲み友・メル友募集」という書きこみを見つけた。
サチはこの掲示板にメールをした。

すると、即メールの返事が来た。
メールの相手は中村純一という人だった。

中村はサチよりも年齢は5歳ほど年上だった。
それに結婚していて子供も2人いたのだ。

サチはメールで暫くその中村という男性とやり取りしていった。
中村は何かに悩んでいる様だった。

メールのやり取りを続けていくサチ。
そこで分かったのは、中村はホステスに貢いでいる様だった。

銀座のホステスだった。
中村はそのホステスに惚れている様だったのだ。

その恋愛に悩んでいたのである。
その恋愛相談者を中村は探していたのだ。

「鮎川さん、今度飲みに行きませんか?」
そんなメールが中村から来た。

サチはこのホステスとの恋愛に悩んでいる中村に会いたくなっていた。
「ええ、構いませんよ。行きましょう」

サチはそう返事を書いた。
中村の仕事は建築デザイナーだった。

それも某大手建築メーカーのデザイナーだったのだ。
グーグルでググると名前も出てくるような人だった。



会う約束の日。
この日もサチはピルを飲んだ。

ピルは規則正しく飲まないと効果はない。
規則正しく飲むことで妊娠を防いでくれるのだった。

待ち合わせはみなとみらいだった。
サチは桜木町の市営地下鉄の出口付近で待っていた。

すると、ちょっと背の高いブラウン系のスーツをパリっと着た男性が現れた。
「鮎川さん?」

「はい、中村さんですか?」
「そうだよ。初めまして。よろしくね」

中村は自分の車でみなとみらいまで来ていたようだった。
車は近くの駐車場に停めてあると言っていた。

時間は夜7時を回っていた。
みなとみらいの夜景がとても綺麗だった。

「夜景が綺麗に見える最上階のレストランに予約入れてあるからそこに行きましょう」

中村はそう言ってきた。
中村は女性の扱いがとても慣れているな?と感じたサチだった。

ホテルのエレベーターに乗り最上階まで行った。
レストランに入ると窓際の席に通された。

窓の外を見るとみなとみらいの夜景が一望できた。
とても光輝いていて綺麗だった。

中村は赤ワインを注文した。
それにちょっとしたコース料理も頼んでいた。

二人はワインを飲みながら話をした。
「鮎川さん、夜景が綺麗でしょう?」

「ええ、とても綺麗だわ」
料理が運ばれてくる。

キャビアやフォアグラ、生ハムなどが並んでいた。
「キャビアだよ、美味しいから食べてみて」

「はい」
そう言うとサチはキャビアをクラッカーに乗せて食べた。

サチの感想だがキャビアはそんなに美味しいとは感じなかったのだ。
中村は話始める。

「女性の気持ちが分からなくてね」
「そうなんですか?」

「うん、こちらが心配してるのに全然わかってくれなくて」
「お相手はどなたですか?」

「銀座のホステスさ。まだ25歳だよ。体調崩して店辞めてさ、暮らしていくのも大変だろうと思って20万渡したんだけど余計なお世話だと言って突っ返されたよ」

中村はそう話すとため息をついた。
サチは黙って聞いていた。

尚も中村は話を続けた。
「彼女は俺の事どう思ってるのかわからないんだよ」

サチはそれを聞いてこう答えた。
「それは、疑似恋愛ですよ。本気で中村さんのことは思っていないと思います」

「え?疑似恋愛?」
「そうです。疑似恋愛です」

「疑似恋愛か。そうか…」
中村はククっと笑いながら下を向いていた。

中村は妙にサチの話を聞いて納得したようだった。
二人はその後、あまり会話はしなかった。

暫く軽く飲んだ後だった。
「鮎川さん、送っていくから帰ろうか?」

「ええ、そうですね」
そう言葉を交わすと二人は店を後にした。

この日は何もなくお互い自宅に帰ったのである。



数週間後…。
とある土曜日。中村からメールが来た。

「今日、ランチでもしないかい?」
そう書かれてあった。

サチは別に用事もなかったのでランチにいくことにした。
中村はサチの自宅を前回会った時に知っていたので車で迎えに来てくれた。

中村が乗っている車はBMWの7クラスだった。
BMW7クラスはとても大きな車だった。

今でこそBMWはコンパクトになっているが中村は昔のBMWにこだわりがあったのだ。

でも、サチはこの車がとても好きだった。


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