投稿小説が全て無料で読める書けるPiPi's World

妻を他人に
【熟女/人妻 官能小説】

妻を他人にの最初へ 妻を他人に 363 妻を他人に 365 妻を他人にの最後へ

妻を他人に (6) その日-6

 それからのことは、断片的にしか覚えていない。

 二人の唇が触れ合う断続的なキスの音、半開きとなった妻の口の中にZの舌が入っていったこと、ゆきは自分から舌を伸ばすことこそなかったがZの舌の侵入を拒否することもしなかったこと、二人の舌と唇の間にときおり唾液が糸を引いていたこと、衣擦れの音とともに男の手が妻の身体をまさぐっていたこと――。

 どのくらい時間がたったのだろう。
「パパ……?」と呼びかけるゆきの声で我に返った。

「パパ……ねぇ、聞いてる……?」
「あ……あぁ、ゆき……」

 見ると――いや、ずっと見ていたはずなのだが――ゆきは相変わらずZの下に組み敷かれていた。
 Zの手のひらが妻の乳房にあてがわれようとしていた。

「Zくんだめ……。ちょっと……ちょっと待って……」

 Zを押しのけ、上体を起こすゆき。
 はだけたシャツの首元から、サーモンピンクのブラジャーの肩紐が覗いている。
 めくれ上がったスカートの裾をゆきが直すとき、着替えたばかりのショーツがちらりと見えた。それもまた、ゆきお気に入りの「一軍下着」だった。

 ソファの上に横座りとなった妻は、息を少し荒くしている。
 潤んだ瞳、上気した頬。
 きれいに結わえてあった髪は乱れ、汗ばんだうなじや額に後れ毛が張り付いている。

「パパ……。どうするの……?」

 髪を手ぐしでとかしながら、ゆきがポツリとつぶやいた。
 半開きの口元は唾液に濡れている。

「つ……続けて……ほしい……」
「……………………」
「……Zに……抱かれてほしい……」
「……………………」

 私の言葉が、重苦しい沈黙に流され、消えていく。

「俺の身勝手な願いを叶えて、くれないか…………?」
「……………………」

 住み慣れた我が家のリビングで、妻が、他人に抱かれる。
 何度も笑い合い、おしゃべりを楽しみ、愛を結んだこの場所で。

「ゆきのこと、大好きだから……今も、これからも……」
「…………」
「今日ゆきが何をしても……俺の気持ちは変わらな……」
「私………………されちゃうんだよ……?」

 ゆきが私の言葉を遮った。
 声が震えている。

「本当に、いいの……?」

 私は妻の目を見つめ、うなずいた。

  *

 後ろからZが近づき、ゆきの腰に手を回した。
 妻の腹をさすり、太ももを撫で、尻の丸みをなぞる。

「パパ……。もう見ないで……」

 無骨な手はシャツの裾から中へ入り込むとするりと上へ移動し、妻の胸の膨らみへと到達した。
 妻の乳房に、夫以外の男の手が、そっとあてがわれている。

「パパ……」

 人妻の丸い双丘は形を変えながら二度、三度と大きく円を描く。
 シャツの中でブラジャーのホックが外される、プチッという音が、小さく聞こえた。

「……ぁん……っ」

 ゆきの口から甘い声が思わず漏れた。
 Zが、妻の乳首を探り当てたのだ。
 慌てて私から目をそらし、手で口を塞ぐゆき。

「んっ……んんっ……んふぅ……っ」

 人妻の乳房先端のしこった蕾が、他の男の手で摘まれ、弾かれ、手のひらで転がされている。
 固く閉じたはずの唇の隙間から、吐息がこぼれる。

「お願いパパ……っ……」

 下を向き、唇を噛みしめるゆき。

「早く……どっか行って…………」

  *

 私は立ち上がり、寝室へ向かう。
 荒くなる妻の吐息と衣擦れの音を背中で聞きながら。

 寝室のドアノブに手をかけたとき、後ろからひときわ甲高い声が聞こえてきた。

「んっ……ふぅ……っだめ……」

 思わず振り返ると、Zの手がゆきのスカートの中に挿し込まれ、小刻みに震えていた。

「……まだパパが……いるから……ぁあ……っん!」

 人妻の腰が跳ね、乳房が揺れた。
 苦悶の表情を浮かべる妻と、目があった。
 あれ? ゆき?
 俺、ゆきのこんな表情、見たことあったっけ?

「見ないで……あぁ……んく……っ!」

 猛烈な後悔が私を襲う。
 私だって見たくなかった。ゆきのあんな表情、あんな姿、あんな尻の動き。
 なんだ、あれは。
 今すぐやめろ。
 今すぐ妻に駆け寄り、Zから引き剥がしたい。
 なのに股間は熱く膨張している。

 私は逃げるように寝室へ入ると、ドアを締めた。
 ベッドへ腰掛け、耳を澄ます。
 パンツの中でペニスがどくどくと脈打っている。

 やがて扉の向こうから、ゆきの女の声が聞こえてきた。
 聞いたことのない、声だった。


妻を他人にの最初へ 妻を他人に 363 妻を他人に 365 妻を他人にの最後へ

名前変換フォーム

変換前の名前変換後の名前