6 配送業の人-1
サチはこの年とある小さな事務所の事務に転職していた。
ここの仕事もとてもやりがいのある仕事だった。
社長はちょっと問題がある人ではあったものの他の社員の人はみな気さくで優しかった。
サチはここの事務所でも好きなように仕事をさせてもらっていた。
自分で考えながら事務の仕事ができていた。
事務所は市営地下鉄沿線にあった。
あざみ野駅から1本で通勤できたのだ。
サチは毎日事務の仕事を楽しんでいた。
パソコンに向かって仕事をしている時が一番楽しかった。
その事務所に配送業として来ていたのが近藤義夫だった。
近藤はサチの勤務する事務所の近くにある東急百貨店にも出入りしていた。
近藤はその東急百貨店に勤務する女性とも関係を持っていた。
近藤は妻子ある身だったが、浮気はいつもの事だった。
年齢は29歳でちょっと小柄で容姿はとてもキュートだった。
サチの好みの男性だと言えばそう言えた。
サチはキュートな男性には弱かったのだ。
始めはそんなにサチも近藤のことを気にしていなかった。
いつも普通に配達してくれるただの人だった。
でも、ある時気になり始めたのだ。
いつものように午前中にサチだけが残っていた事務所に荷物を運んできた近藤だった。
「今日はひとりなの?」
「うん、今日はひとりよ」
「今度、お茶とか飲みにいかない?」
「え?お茶?」
「だっていつも配達で忙しいでしょう?」
「缶コーヒーでちょっと外でお茶だよ」
「あら…。そうなの?」
「うん」
そんなやり取りがあってサチはそれから気になり始めたのだ。
サチが仕事から帰る時、偶然にも近藤が運転するトラックに出くわした時など近藤から声を掛けられるサチだった。
「お姉さん、これからお茶でもしない?」
「配達の途中でしょう?」
二人はそんな会話をしながら笑っていたのだ。
その頃、お互いのメールアドレスと携帯電話の番号を交換していた。
二人は頻繁に連絡しあっていた。
サチは段々と近藤に惹かれていったのである。
サチは近藤とセックスがしたいと思い始めていた。
そこでメールをしたのだ。
「今度、一緒にホテルに行かない?」
「いいよ。でも、嫁がうるさいから車出せないんだ。会社の友達の車貸してもらうからそれで行こうか」
近藤の嫁はかなり近藤の女性関係に敏感になっているようだった。
自宅にある車などのメーターをいつもチェックしていて近藤の行動を監視していたのだ。
サチは近藤と会う日を決めた。
平日に会うことにしたのだった。
会う当日…。
この日もサチはピルを飲んでいた。
近藤がサチのアパートに友達から貸してもらった車で迎えに来た。
サチは近藤の車に乗り込んだ。
近藤は配送業の制服を着たままだった。
「近藤くん、ユニクロに寄ってくれる?」
「どうして?」
「だって、その服じゃ嫌でしょう?」
「確かに嫌だな」
そう言うと近藤は近所のユニクロに車を走らせた。
ユニクロに着くと近藤は洋服を見繕ってサチに見せた。
そこでジーンズとTシャツと長袖のシャツをサチは買ってあげたのだ。
着替えが終わると二人は車に乗り込みラブホを探した。
途中、コンビニにより、食料や飲み物を買い込んだ。
近藤はそれに慣れているらしくサチにこう言ってきた。
「お菓子とか買わないの?」
「私は、お菓子は食べないわ」
「そうなんだ」
サチは近藤が他の女性とそんな会話をしているのだとその時思ったのだ。
車はとあるホテル街に入っていった。
そこはサチが知らないホテル街だった。
車のキーをフロントに預け、部屋のキーを受け取ったサチだった。
ホテル代もサチが払うことになっていた。
二人はホテルの部屋に吸い込まれるように入っていった。
二人は部屋に入るとソファーに座って買ってきた缶コーヒーを飲んだ。
サチはちょっと緊張していた。
今のサチは近藤のことがとても好きだったのだ。
コーヒーを飲み終わるとサチは近藤が座っているソファーに行った。
そして、近藤にキスしたのだ。
サチはしっかりと自分の舌を近藤の舌に絡ませ吸いあげるようにキスをした。
「キスうまいんだね?」
「そう?」
そう話すと近藤はベッドに横になった。
サチはベッドに行って近藤の身体の上に乗りキスをして唇を首筋に這わせていった。
「あぁ、き、気持ちいい。俺、それ好き」
「そう?もっとしてあげるわ」
そう言うとサチはもっと首筋に唇を這わせてキスを繰り返した。
「あぁ、もう我慢できねー!」
そう言うとサチの身体をベッドに押し倒した。
今日のサチの服装はクリーム色のミニスカートに長袖のカットソーだった。
近藤はサチのカットソーをめくりあげ、乳房を口に含んで強く吸ってきた。
「あ、ん…」
サチの口から甘い声が聞こえてきた。
近藤は乱暴にサチのパンストを破っていった。