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ある熟女の日々
【熟女/人妻 官能小説】

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姉との電話-1

 密会を終えて家に帰ってくる。今日は相手の年齢が若かったこともあってか、何度も求められ、それだけでなく、性的好奇心を満たそうとするかのように、様々なことをねだられてしまった。家を出るときはまだ朝の気配だったのが、すっかり日も傾いている。こちらとしてはベッドに横たわったまま、背中越しに後ろから挿し入れてもらう程度で十分満足で、年上の男とはだいたいそんな感じで交わっているのだが、今日の相手は立ちバックに興奮するようだった。

 肉棒を迎え入れやすい角度となるように尻を突き出しながら、上体は壁に向かって背骨を反らせて…。身体を支えるには広げた足では不安定でもあり…。腰が音を立てておかしなことになるんじゃないかと、ちょっと心配もしていると、男が背中越しに声をかけてくる。

 『葵さん、そのポーズ、なんか決まってますよね。すっごく堂々としてるっていうか…』

 (決まってなんかないから…。若さ溢れる貴男がわたしみたいな女と交わって興奮してくれるのはうれしいけど、本当は、済んだ後にはちょっと背中や腰を揉んで欲しいわ…)

 そんなことを思いながら相手のリクエストに応えていくわたし。フロントへの延長コールもこちらでした。

 『なるほど、そんな感じで伝えればいいんですね』

 悪気はないのだろうが、わたしは貴男に経験値を積ませるのが役割ではない…と思う。そんなことより、腰でも揉んでもらいたいのだが、そんなことを相手にねだるには、まだ付き合いが浅いから、二人でシャワーを浴びてホテルを後にする。

 家に帰ってソファーに倒れ込み、腰のあたりを自分でマッサージしていると電話のベルが鳴る。出てみると次姉の▲子だ。

 「どうしたん?」
 「あんた、どうするんや?」
 「どうするって、なんのこと?」
 「〇子姉ちゃんからの手紙、見てないんか?」
 「手紙? ちょっと待ってて」

 郵便受けに届く手紙はほとんどがダイレクトメール。リビングの棚に無造作に積んでいた。慌てて確かめると長姉からの封筒が混ざっていた。

 「あったわ」
 「『あったわ』じゃないわよぉ。なにも読んでないんか」
 「ごめん、今、開けて読んだらいいん?」
 「教えたるわ。お母ちゃんが入院するって書いてあるわ」
 「えっ!…」
 「くくっ(笑)。まあ、心配せんでええわ。なんでも神経痛の関係でちょっとメス入れるんやって」

 重い病気などではなかったようで安心する。

 「んもう、驚かさんといてや」
 「別に驚かせるつもりなんかなかったわ。それより手紙を読んでもいない方が驚かされるわ」
 「…ごめん」

 母も年齢的にいつ何があってもおかしくない。本当に緊急を要するときには手紙などではないのだろうが、申し訳ない気持ちになる。

 「で、どうするん?」
 「…どうする、って?」
 「ああ、そうか。手紙を読んだら書いてあるけどな、〇子姉ちゃんが、お母ちゃんの見舞いがてらまた帰ってこんか? って。で、あんたはどうするんかな? って思ってな」
 「ああ、そういうことだったんか。入院っていつ頃なんやろねえ?」
 「来月に入ってからみたいやからまだ時間はあるわ。ウチは行くことにしてるわよ」
 「そうなんか。ウチも行きたいわ。あの人と相談してみる」
 「『あの人』はないやろ(笑)。…うん。そうしとき。…それにしても、親族からの手紙もほったらかしにしておくとは相変わらずのんびりしとるなあ」
 「だから、ごめん、って」

 次姉に冷やかされて、二人とも実家にいる頃のような感覚がよみがえってくる。


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