続・風祭〜reunion〜-7
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―――――――三重子はいつしか小谷とのお喋りそのものに熱中し時の経つのも忘れていた。
ふと気づけば時計の針は夕方の6時過ぎを指している。
「もうこんな時間・・・・」
「大分長居してしまいましたね」
「小谷さんは、今日はこれなら・・・」
「今日の予定はどうなるか分かりませんでしたから、明日の夕方までは空けてきました。もっとも明日の状況によっては、何とでも致しますよ」
「もし・・・・・」
「・・・・え?」
「もう夕暮れですし、天気も何だか宜しくなそうですから・・・今夜は泊まっていかれては」
「・・・・よろしいんですか?」
「ご存じの通り、空き部屋も多いですし・・・一応お泊まりできる一室を用意させていただきました」
「・・・・・・・」
小谷の表情に一瞬躊躇の色が浮かんだ。
三重子の提案が意味することを自分なりに整理したのだろう。
だが次の瞬間には意を決したかのように元の表情に戻った。
「・・・分かりました。お言葉に甘えさせていただきます。・・・これで山荘では2人きり、ということになりますね」
「命の恩人でもある小谷さんとなら、安心できますわ」
「そう言っていただけると嬉しいですね・・・では一度車に戻って、乗せっぱなしの荷物を取ってきます。」