続・風祭〜reunion〜-12
一瞬息をのんだ後に小谷の肩口から窓に映る漆黒の夜の帳を見る体勢になった時、
三重子はここで漸く自分が小谷に抱きすくめられていることを実感していた。
生地越しに伝わってくる小谷の胸板と両腕の筋肉の固さ。
そして彼自身の熱と肌身に染み付いている男の匂い――――――――
「ずっと、こうしたかった・・・・貴女と初めて出逢った時から、ずっと・・・・」
「・・・・・・・・」
耳元に入ってくる小谷の呟きに、三重子は沈黙で答えていた。
いや彼の行動に一切抗うことなく、身を委ねていることが小谷に対する答えだった。
この日再会してから互いに感情の発露を控えめにしてきたものの、
三重子の中では小谷とこうなることを望む気持ちの整理ができていたように思える。
だから小谷が一瞬三重子の身体を離し唇を求めてきた時、ただ目を瞑り自ら唇を開いて彼を受け入れることができたのだった。
ややがさついた小谷の唇の感触と熱そして彼の鼻息を感じながら、
三重子は侵入してきた小谷の舌に自分の舌をおずおずと絡ませ、
その生々しい肉の感触を存分に堪能していた。
いつしか両肩に添えられた男の両手の感触も気にならなくなるくらい、
顔の角度を互いにずらしながら濃密な接吻に没頭していく。