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風の通り道
【青春 恋愛小説】

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風の通り道-1

ポッカリと開いた穴。
それは私の心に存在いていた。
風が通るたびにヒューヒューと鳴き
私を震え上がらせた。
その穴が開いたのはここ1ヶ月。
半同棲している彼氏の雅之とのことで溝が出来てからだった。

そんなとき、大学の先輩との飲み会が連発した。
とある飲み会、雅之は用事があり参加できなかった。
そこで私は可愛がってもらっている憲二先輩に悩みを聞いてもらった。
『男って、味方してもらいたいもんなんですかね?』
「うーん。そうだね、そうかも。」
二人で飲み会を抜け出し、散歩をしていた。
「男って、自分の言ってることが正しいって思ってしまう人もいて、
まぁそういう人が全てじゃないけどさ。」
『ふむ』
「自分の一番近い人に反対されたら、傷ついたりするかもね。」
『そっかー・・・・』
私は途中で拾った枯れ草をブンブン振り回しながら話した。
『女の子は第3者の目で意見を聞くことが多いからさ。』
「なるほど」
『いちいち傷つかれてもさ、ね。私ってやっぱり冷たい女だ』
私はどうすれば良いのかわからなすぎて、笑った。
「でもさ、もう少しだけで良いから、美穂が彼に歩み寄ったら
なにか変わるかもよ?」
先輩が私を覗き込む。
『・・・・・・・・・・』
私は黙った。
理由は、自分で探して、少しわかっていた答をずばり言われたからだ。
本当に、普通に考えればわかる答え。
でも、私はただ雅之の考え方が偏らないように意見しただけだったのに。
その想いが私をガンコにしていた。

『そっか。わかった!ありがとうございます!』
「いえいえ」
『先輩優しいね。こんな悩みにも付き合ってくれるなんて』
「まぁね。可愛い後輩のためですから。」
『うわーい(?)』
私は意味なくぴょんぴょん跳ねながら歩いた。

「あのさ」
公園に着き、二人で並んでブランコをこいだ。
「あのさ、美穂はどんな男が好みなの?」
『ん?好みですか?』
「そう。」
『そうだねー。好み・・・』
私は好みとか、あまり考えたことはなかった。
だって、好きになる人はそれぞれタイプが全然違ったし、
それでも好きになっていたから、好みとかは無いと思っていたのだ。
「さらっとでいいから教えてよ。」
先輩が俯きながらブランコをこいでいる。
『あえて言うなら・・・・面白い人!』
「単純。もっと考えろよ!」
『うるさいですー』
「他は?」
『えーっと。』
考える私は立ってでブンブンこぐ。
『ちょっと細かく言うと、二人でいる時間を無理やり二人で過ごそうとしない人』
「と、いうと?」
『ほら、私と雅之はお互い一人暮らししてるから、いつも一緒に入れる。』
「うん」
『考えてみたら凄い贅沢だけどな希望かも!』
「うん」
先輩はクスっと笑った。
『で、いつも一緒に居るからこそ、お互いの時間はしっかり区別したいの。
二人でデートしたりする時はいいんだ。でも、日常の中まで一緒に何かするのはちょっと・・・』
「なるほど。」
先輩がブランコを止めた。


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