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風の通り道
【青春 恋愛小説】

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風の通り道-3

『時々で良いから、どこかに連れて行ってくれる人!』
「なるほど」
『ある程度は私を見ていてくれる人。でもいつもじゃなくても大丈夫なの。』
「ふむ、わがままだね。」
『謎めいてる人がいい!』
「え?」
『なんかね、私の知らないところがあったりすると、なんだか惹かれるんだよね。』
「なぜ?」
『わかんないです。でも、何か陰を持ってる人に惹かれるんだ。』
「そっか・・・俺さ、よくわかんないって言われるよ。」
『わかんない?』
「そう、何考えてるかわかんなくて、謎だって。」
『へぇ!・・・・・確かにそうかも!』
「俺も時々どっか行くの好きだよ。」
『まじですか?お出かけ楽しいですよね♪』
「付き合ったりしたら、半分じゃれあって、半分は自分のことしたいってタイプなんだ。」
『おっ?!それです!それ良いですね!』

・・・・・・・・
私はなんだか変な気分になってきた。
なぜか、売り込まれてるような気がする。
いや、自意識過剰だ。やめておこう。

『さて、酔いも醒めてきたので戻りますか!』
「おう。」

私は1人で気まずくなっていた。
早く二人っきりの状況から抜け出したかった。

部屋に戻って30分後、雅之から電話がかかってきた。
『おぅ、なしたー?』
「まだ飲んでるの?」
少し、不機嫌だ。私は無意識に溜め息をついた。
『ぅ・・・うん。なに、どうしたの?』
「いや、バイト疲れた。マジ店長ありえねぇよ。」
『そっか・・・お疲れ様。もう私帰った方がいいかい?』
「うーん。・・・・・」
結構長い沈黙。
嫌なら早く帰って来いって言えばいいのに。
「いや、いいよ。俺寝るから。オヤスミ」
ぷつ
一方的に電話を切られた。
そりゃそうか、「帰った方がいいか」なんてきかないで、
気を利かせて帰ればよかったのか。
でもね。そこまでアンタのことを想って無いよ、私は。
私は深く溜め息をついた。
それに綾子先輩が気付く。
「大丈夫かい?もう帰る?」
心配そうに私を見る先輩。
私は楽しい気分もなくなってしまってこの場にいるのが少し辛くなってしまった。
『はい、すみません。』
私はせかせかと帰る準備を始める。
「美穂帰っちゃうのー?!」
他の先輩や友達の顔が少しだけ曇った。
『ごめんなさい!また呼んでください!』
そういって玄関に向かう。
部屋を出てドアを閉めようとした時、部屋の中が少し見えた。
憲二先輩が立ち上がってこっちを見ている。

眼が合った。
なにか、なにかを「言っている」眼だった。
しかし、早く帰らなくてはいけなかったこともあり、私はそのまま部屋を後にした。


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