鳥-2
>>名前…聞いてもいいで
すか?
>>名前も秘密にしておこ
う。私のことで頭がい
っぱいになるといい。
すまないが、急用がで
きたから今日はこれで
失礼させてもらうよ。
>>はい。おやすみなさい
名前も秘密だなんて変わってる。たいていの『S』だと名乗る男性は、名前や年や住まいはアピールしてくるのに…
一体どんな人なんだろう?
あたしの頭の中は知らず知らずのうちに『ご主人様』でいっぱいだった
いつのまにか寝てしまっていたみたいで、程よい光と小鳥のさえずりで目が覚め、枕元の時計に手を伸ばし、針が指す時刻を見ると8時を少しまわったところだった。
大きく伸びをして、歯を磨きに洗面所へ行こうと携帯を見ながら歩いているとメールの着信があったことに気付き、開封する。
>>さっきはすまない。
もう寝てしまっている
だろうから、起こして
しまったら申し訳ない
。
朝起きたら何時だろう
が構わない、メールし
なさい。
何時でも…って。
こんな時間にメールしてもいいのかなぁ?躊躇いながらも期待と興奮で返信メールを作成するあたしの指。
>>おはようございます。
起きましたのでメール
しました。起こしてし
まったらごめんなさい
着信。
思ってたより早い返信に意味もなくビクッとするあたし。
>>おはよう。よく眠れた
か?
これから何をするのか
教えてもらおうか。
>>歯磨いて、朝食を軽く
済まそうかな?って。
その後はだらだらと…
>>歯磨き終わったら、歯
磨き粉をクリ○リスに
塗りなさい。
塗り終わって朝食済ん
だらまたメールしなさ
い。
命令通りクリ○リスに歯磨き粉を塗った。ひんやりとした感覚に、その場でいじりたくなるのをぐっと堪えて朝食を。