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デッサン
【学園物 官能小説】

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デッサン-1

 高校時代の思い出である。
 ぼくは美術部に所属していたのだが、美術部にはある伝統があった。
 担任のこだわりだと先輩から聞いたが、そんな話、美術部の部活見学のときにいっさい聞いておらず、入部してからぼくは先輩から聞いたのだ。
 そんな伝統があるなら美術部に入部しなかったのにと後悔するのは遅すぎ、入部してすぐに新入部員とその伝統を受け継ぐことになった。
 もったいぶらずに教えろとすこし神経質な賢明な読者のみなさんは唾を飛ばすだろうから、もったいぶらずに教えます。
 ヌードデッサン。
 裸になって描かれる、裸を描くあのヌードデッサンである。
 部の伝統として学校が建てられた当時からある伝統であって、ヌードデッサンを教えない美術部は美術部ではないという誇りすらあるようで、その伝統は担任がかわっても引き継がれ、いまにいたるようだ。
 それでぼくは、ヌードデッサンを描くはめになった。
 ぼくの他の入部したのは男ひとりと女ふたり。ちょうどよかった。ぼくひとりが男だったらどんなに恥ずかしかったか知れないが、とにかく男子がひとりいてよかったと心強かった。
 とにかく脱げと担任にいわれ、ぼくは脱ぐ。みんな脱ぐ。うまれたままの恰好になった。が、ぼくは驚嘆する。ぼくとおなじ男子であるとなりのこを見たのだが、それはまさかおなじ男なんかと思うくらいのおおきさだったのだ。平時にこのおおきさだと勃起時はどんなおおきさになるのか。ぼく以上に、それを見つめる女の子ふたりは怯えている。
 脱いだら描くんだ。と、担任が言ったから描かないといけない。
 男女ペアである。
 ぼくは椅子にすわって、女の子はつくえのうえにたつ。もろみえだった。もろにみえていた。それを描くんだと巡回する担任が言った。それを描くためにヌードになったんだと。たしかにそう言ったのだ。
 それを描く。なかまで見えそうだった。いやすこし見えていた。きれいなあわいピンクいろで、チューブのようだった。それをせいかくに描写するんだと担任が言った。だからぼくは、そのころにはぼくのペニスはかなりおおくなったが、となりであそこをデッサンする彼にはかなわない。あんなおおきさがあそこに入るなんて想像がつかない。そんなおおきさだ。
 ぼくはあそこを描き、ちいさなおっぱいも描く。彼が描くその女の子よりちいさなおっぱいだった。というか、彼が描く女の子のおっぱいがおおきいのか? 当時のぼくにはそのおっぱいがおおきいのかちいさいのかわからない。ただぼくのペニスはおおきさにかかわらずおおきくなって、そこにぴくぴく痙攣してむくだけだ。彼のおおきなペニスだってぴくぴくあそこにむかって痙攣し、ペニスは赤く鮮やかな血管を浮かせ、すこし赤らんでいる。熱っぽく、それはあそこに収まりたがっていたが、あそこに収まるのかわからない。あんなおおきなものがあんな狭いところに収まるかなんてわからないのだ。
 勃起していた。
 ぴくぴく元気に健康なペニスは盛っていた。さいきん忙しくて日課のオナニーは休んでいたので、ぼくのペニスには酷な状況だった。まさにそこに、目の前にペニスが入りたがっているチューブがあるのだ。そこで思いきり擦られ、奥に精子を出したがっていた。たまはどくどく脈打ち、すっきりしたがっていたが、ここでオナニーするわけにはいかない。
 ヌードデッサンだ。ヌードをデッサンしないといけないのだ。


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