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安倍川貴菜子の日常
【コメディ 恋愛小説】

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安倍川貴菜子の日常(4)-1

護が貴菜子の事を意識して動揺しているのを気付かず貴菜子は何かを思いついたのか護に質問をしてきた。
「ねえ、神野くん。サンタさんの力について少し聞いても良いかな?」
「……えっ!?あ、ああ、答えられる範囲ならな」
自分を落ち着かせようと必死になっていた護は貴菜子の言葉に少し慌てると今まで動揺してたのを悟られない様に出来るだけ冷静にこたえたのだった。
「で、どんな事を知りたいんだ?」
「うん、知りたい事ってのは神野くんのお爺さんに貰った能力についてなの」
「ああ、さっき言ってたやつな」
貴菜子の言葉に護は腕を組み答えると、貴菜子は制服のポケットから赤い宝石が飾られた指輪を取り出し護に見せた。
「この指輪にお爺さんの力の一部を分けたって言われたんだけど、どんな力なのか神野くん分かる?」
護は貴菜子が差し出した指輪をまじまじと真剣な目つきで眺め首を捻ると、地面に転がり気を失っていたエドを拾い上げ顔を軽く叩き声をかける。
「おい、エド起きろ。お前に調べてもらいたい事がある」
「……んん…何だよ、使い魔のお茶目に理解を示さない手荒なマスターの頼みなんか聞きたくねーよ」
意識を取り戻すなり不機嫌になり頼みを拒絶するエドを護が睨みつけ一触即発の状態になりかけたところを貴菜子がエドに頼む事によって新たな騒動は回避されたのだった。
「う〜ん……こりゃあ、時間干渉の初歩の能力だなぁ…」
「時間干渉?」
貴菜子の指輪に手を当てて難しそうな顔をしているエドに貴菜子が?マークを頭に浮かべながら尋ねる。
「ほんのちょっとだけ時間を遡れる力ってことだ。まあ、おそらく最大でも1〜2分程度時間を戻せるってものだろう。使い道としちゃあちょっとしたミスやドジの帳消しに使える程度のもんだね」
「ふえ〜、でもすごい能力なんだねぇ。それにしてもエドくんはどうして能力の内容が分かったの?」
「そりゃ、俺達トナカイはサンタクロースと密接な関係にあるんだからトナカイがサンタの能力を探る位は朝飯前ってやつさ」
得意そうに笑うエドを貴菜子は「すごいすごい!」と褒めながら感心していると貴菜子の膝の上に居るチョコが話しかけてきた。
「ご主人ちゃま、感心するのは良いでしが力の使い方を教わらないとダメでしよ」
「あっ、そうか。エドくん、この力の使い方を教えてくれないかな」
両手を合わせ可愛らしくお願いする貴菜子に偉そうに胸を張り「お任せあれ」と笑顔で答えるエド。
「まあ、今回はその指輪がサンタの能力とお嬢さん…えっと、名前なんてーの?」
「貴菜子。安倍川貴菜子だよ、エドくん」
「貴菜子ちゃんね。うんうん、いー名前だぁ、貴菜子ってなんか美味しそうな名前だなぁ」
「はうっっ!!」
貴菜子はエドが何を想像したのか理解したらしく、貴菜子の名前を呼び満足そうにしてるエドとは別に貴菜子はダメージを受けた事が見え見えである引きつった笑みを見せた。


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