現実と妄想-1
なぜか最初から抵抗するつもりはなかった。というより抵抗できなかった。
有美の頭の中には、恥ずかしさと、興奮が渦巻いていた。
浩之のことは頭に浮かんでこなかった。
いま、自分が高校生の時から想像していた妄想が現実になろうとしていた。
『こんな形で・・』とうい思いはあったが、今から自分がどういう風に、辱められ、どうなっていくのか、そのことばかりを考えていた。
体の奥底から、あのマスターベーションをしている時の感覚が湧き始めていた。
見られることももちろんのこと、今自分の体に起こっている感覚が、何よりも恥ずかしかった。
『やっぱり、私、これを望んでいたんだろうか。』
『辱められることを望んでいたんだろうか。』
『鬼頭部長に、そんな気持ちを見抜かれたらどうしよう。』
思えば思うほど、下半身から熱いものがこみ上げてくる。
『濡れてたらどうしよう。』
もはや、自分で確かめることはできない。
性器に触れなくても、妄想をしただけでも、僅かに濡れてしまう自分の体。
処女であるためか、濡れるといっても潤う程度ではあるが、
確実に濡れる体であることは、自分で分かっている。
『それを見られたら・・どうしよう・・・恥ずかしい!』
有美の胸の高鳴りはどんどん激しくなっていく。