ずるい-7
朝になると、スカートはすっかり乾いていたが、タクシーで送ることにした。
二十分ほど走り、四階建てのマンションのまえで、車を停めた。
オートロックを抜けて、エレベーターへ乗り、そこでキスをした。
彼女の部屋は四階だった。
玄関は感じの良い薫りが漂っていて、それとは違う薫りだが、部屋のなかも良い匂いがした。
カップ麺くらいしかないけど、食べる? と訊いてくれた。
お言葉に甘えることにした。
料理はしないらしく、キッチンが綺麗なままだった。
私たちはカップ麺を食べ、ベッドへ入った。
昨夜より、キスをして抱き合った。
慈しむように彼女の頬へ手をやった。
吐息を身近に感じた。
彼女を脱がせ、敏感な胸のさきに触れた。
彼女は、ううんっと言って、また唇を求めた。
好きになっちゃったかも、と彼女は言った。
ありがとう、と私は返した。
ありがとう、か、と彼女はひとりごとのように言った。
彼女の首筋にキスをした。
耳の裏側を舐めながら、彼氏とうまくいってないの? と尋ねた。
彼女はズボンのうえからペニスをさすった。
それから、どうだろう、仲はいいよ、と言った。
私はズボンのジッパーを降ろしながら、彼氏と俺、どっちがいい? と尋ねた。
君のほうがいいって言ったらどうなるの? と尋ね返された。
彼女の股へ手を送り、左右に揺さぶりながら、また逢う、と私は答えた。
逢ってそれから、どうなるの? と彼女は重ねて尋ねてきた。
寝る、と私は答えた。
それだけ? と彼女は笑った。
分からない、と私は答えて、クリトリスを撫でた。
ずるいね、と彼女は言った。
そう、俺はずるい男だよ、嫌いじゃないでしょ? と私は言った。
嫌い、ずるい男は嫌い、と彼女から返った。
クリトリスを撫でる手をとめた。
やめないで、と彼女が囁いた。
私は指を再開させた。
ほどなくして彼女は果てた。