ずるい-2
一度、トイレに立って席へ戻る際、向い合わせではなく、隣りに腰をかけた。
近いよ、と彼女は言ったが、私はそのままでいた。
五杯くらい呑むと、彼女の目がすわってきた。
少しぐらついたので、抱きとめると、彼女は拒みもせず、身体を預けてきた。
が、泊まる? と尋ねても、つれない返事だった。
私は頬へ手をやり、唇を奪った。
彼女はダメだよ、と言った。
けれども、もう一回、とせがむと、笑いながら、目を閉じた。
はじめより、濃厚なものとなった。
ねえ、雰囲気いいよね、と彼女は言ってくれた。
実際の顔は大したことないけどね、と私は返した。
レミは、少し間をあけてから、わたしは好きな感じだけど、と言ってくれたので、またキスをした。