ずるい-14
自宅へ帰っても、心はかえらず、レミのもとへ置いてきたようだった。
煙草を何本も灰にした。
思い立ち、駅前にいくことにした。
酔った女性を狙ってナンパしようと考えたのだ。
駅へゆくと、顔を赤くした女性がいたので、声をかけた。
失敗だった。
またもうひとり、とチャレンジしたが、無理だった。
結局実を結ぶことのないまま、終電の時間になった。
人がまばらになった。
帰ることにした。
家に着き、テレビをつけると映画がやっていた。
彼女が好きそうだと思った。
スマートフォンを手に取った。
メッセージはなかった。
こちらから送ることもしなかった。
指を嗅いだ。
彼女がまだ残っていた。