第九章 高級別荘-3
「藤本さん・・・」
僕が言葉をつづけようとした時、大きな声がさえぎった。
「あらぁー・・・?」
秋生だ。
「剛ちゃん・・・もう、スタンバイしてるぅ」
わざと隣りの女性陣に向かって、声をはり上げている。
「あ、秋生さんっ・・な、何をっ・・・」
新藤さんが狼狽えながら、股間を手で隠している。
「だって、ビンビンじゃん・・・
スッゲーでかくなってるぅ・・・」
おどけた口調に、新藤さんは顔を真っ赤にしている。
『キャハハハッー・・・』
女性達の笑い声が聞こえる。
相当、受けているのか何人もの声が重なり響いていた。
「あ、秋生さんだって・・・
ビ、ビンビンですよぉっー・・・」
新藤さんも負けじと大声を出すと、再び隣から歓声があがった。
僕と藤本さんは目を合わせ、ニヤリと口元を歪めた。
お互いの股間からも、同じようにエレクトしたものが見えていたからだ。
僕達8人は再会した。
高級別荘の廻りには他に人家は無く、僕達以外に人はいない。
最高のシチュエーションに興奮しない筈はない。
これから始まるプレイを想像して、男達、いや、女達もきっとエキサイトしているだろう。
僕は再び大きなため息をついた。
そして、心の中で映見に向かってつぶやいた。
(遂に始まったよ、
僕達の新しいスワッピングが・・・)
深い緑の中を二匹に増えた白い模様が揺れていた。