憲=綺麗?-4
「さぁ、そろそろよ。憲ちゃん」
「はぁ、腹くくるしかないのか……」
楽しそうな麻衣とは逆に憲はうんざりした様子だ。
「それよりも、何で孝之がいるんだよ?」
憲の視線の先には、バッチリおめかしした孝之が座っている。アタシも全く同意見。
「ふふん。悪いがこの勝負は俺の勝ちだと思うぞ。何せ俺は白雪の双子の兄だからな」
「あ〜、初めからない自信が更になくなった」
「ちょっとぉ、そんな事でどぉすんのよ。何よ、孝之ぐらい、アタシの作り上げた憲ちゃんが負ける訳ないわ!」
「あの……麻衣。俺、君の彼氏なんですけど」
「勝負とは非情なものよ」
『それでは皆さん。予選を勝ち抜いた、彼ら8人の美しい艶姿をご覧下さい!!』
さて、始まったか。
「憲、頑張れよ」
アタシに出来るのはもう応援しかない。
「応援されてもなぁ。……あ〜、震えてきた。悪い、白雪ちょっと来て」
フフッ、憲も緊張するんだな。
苦笑を押さえきれないまま、憲に近づくと、抱きしめられた。
「あー、落ち着く」
「いつまでもしてられないぞ」
そう、もう呼ばれそうだ。
『次は3年6組の太田憲くんです!』
「ほら、呼ばれてるぞ」
「続きは男に戻ってからにするか」
苦笑しながら、憲は舞台に消えていった。
さて、とりあえず今回はこれで終わりだ。
結果は……また次回という事だ。
楽しみにしておいてくれ。
続く