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こいびとは小学2年生
【ロリ 官能小説】

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8歳のワレメと白濁液-4


「も、もちろんです」

 含んだように笑ったさおりさんは、立ち上がって冷蔵庫からオリオンの缶ビールを二本取り出した。

「ふふ。まあとにかく、しのの面倒見てくれてありがとう。これ、このままでいい?」

 缶をこちん、と軽くぶつけて乾杯する。ざっくりした生成りの室内着に着替えていたさおりさんの表情に長旅の疲れはあんまり出ていない。

「あっちのオーナーさん、どうでした?」

「もうね、すっごくいい人。60歳超えてるんだけど、少なくとも見た目はもっと若々しく見える。やっぱり女手ひとつでお店を切り盛りしてきた人は違うね、元気だもん。なんで引退したいのか不思議なくらい」

 さおりさんがオリオンで唇を湿らす。

「お店もあんまり広すぎなくて、内装もきれいだし常連のお客さんもフレンドリーでいい感じだった。沖縄の人ってお酒飲んで音楽がかかるとすぐに踊り出すってあれ本当なのね、オーナーさんも、カチャーシー、っていうの?あの、沖縄の踊り。あれ踊ったり三線弾いたりして」

「さおりさんも踊ったんですか?」

「踊らされたわよ、おかげで今朝起きたら背中が痛いのなんの」

 俺たちは顔を見合わせて笑った。

「南の島だからかな、やっぱり開放感がある。正直、住んでみたいな、とは思った」

 さおりさんが小さなため息をついた。

「お店を譲り受けるかどうか、っていう話は深くは出なかった。でも、ゆっくり時間かけて考えてみてほしい、って。あーちゃん、うちのオーナーのことなんだけど、あーちゃんのとうんから(友達)ならおまかせできる、身体が動くうちは支援する、って言ってくれてね」

 もう一本飲んじゃおうか。そう続けて、さおりさんが冷蔵庫からまた二本オリオンを出す。

「しのの写真見せたの。そしたら、ちゅらかーぎー(かわいい)、って。しのちゃんに会いたい、一度連れておいで、だって。彼氏と一緒に連れてきますね、って言ったんだけど」

 オリオンの缶の縁が鼻の頭に当たる。

「え、や、ほんとに言ったんですか」

「うそ」

 さおりさんがあはは、と笑った。ホップの香りが混じった息臭がふわーと俺の鼻腔に届く。

「お兄ちゃんは宮古島は行ったことあるの?」

「ないです。行ってみたいとは思ってるんですけど」

「じゃあさ、しのの彼氏としてかどうかは別として、冬休みになったらみんなで行かない?いいところだったよご飯も泡盛もおいしいし、なんといっても出会った人たちがみんな明るくて楽しかった。そりゃ生活すればいろいろあるかもしれないけど、私、ああいう雰囲気の街、好きだな」

「怡君さんが言ってましたね、台湾と沖縄は似てるから親しみがあるって」

「うん。あ、そうだ、怡君ちゃんとだんなさんも誘おうよ。お兄ちゃん、怡君ちゃんのだんなさんと気が合うと思う。子供と『こいびと』になった人どうしで」

 くっくっく、と笑うさおりさんの前で俺はどういう表情をすればいいのか。

「もう、お兄ちゃんすぐ固まるから……でもいい人だよ怡君ちゃんのだんなさんも。もう本当に、心の底から怡君ちゃんのことがかわいくて、大切にしてるっていうのがわかる。そういうところ、お兄ちゃんと一緒」

 玄関のドアががちゃがちゃ、と鳴って、ママー、という嬉しそうな声とともにランドセルを背負ったしのちゃんが飛び込んでくる。中腰に立ち上がったさおりさんに抱きついて、おかえりー、と満面の笑みを浮かべて言うと、さおりさんもやさしい母親の表情でただいま、と言った。横目でちら、と俺を見たしのちゃんがちょっと照れくさそうな顔をする。母親に甘えている姿を見られたからか、二人っきりの夜のことを思い出したからか。

「お兄ちゃん、夕ご飯食べていって。すっごく大きいスパム買ってきちゃたから、これでゴーヤチャンプル作るね」

「やったあ、あたしスパムだいすき!」

 しのちゃんがまたさおりさんの腰にしがみついた。



 737のカーゴルーム(貨物室)に下ろし忘れの貨物がないか、不審物が積まれた形跡がないか、をチェックするのは俺たち地上職の役割だ。ふだんなら俺や支店長といった男がカーゴルームに登ってチェックするんだけど、シフトの谷間で人が少なかったから ―乗客も少ないんだけど― 琴美に任せたら、カーゴルームから下りるときに足首を捻挫した。横着して飛び降りたら右足の着地に失敗したらしい。
 とりあえず空港内のクリニックで応急処置をし、大事をとって早退させることになった。クリニックからオフィスまで右足をひきずるようにして帰ってきた琴美を見た支店長が、歩けるかい、と声をかけると琴美は情けなさそうな表情をして首を横に振った。

「たぶん大丈夫だと思いますけど……階段とかこわいです」

 うーん、と唸った支店長の決断は早かった。俺にハイゼットカーゴで琴美を自宅まで送らせ、俺もそのまま直帰して駐車場代は明日領収書で精算することが決まり、ターミナルビルに横付けしたハイゼットカーゴの助手席に琴美を乗せて一般車両は出入りしないセキュリティゲートから出発したのはそれから三十分後だ。


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