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[姦獣共の戯れ]
【鬼畜 官能小説】

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事件発生-1




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『さっきパトカー来てたけどさ、なんかあったのかな?』

『池野のコトとか聞きに来たんじゃね?』


井元彩花が失踪した事実は、まだ生徒達には知られていない。
あまり大騒ぎになってしまい、無事に保護された後に登校し辛くなられても困る。
それにまだ〈事件〉だと断定された訳でもなかったからだ。


『あの……教頭先生、私、ちょっと探してきます』


部活の受け持ちの無かった浅井唯は、放課後を待ってから教頭の許可を得て、外へと出た。
動きやすいようにと、中には白の半袖の体育着を着て、そして小豆色のジャージに唯は着替えた。

どう見ても体育の授業から抜け出した生徒のような唯は、自分の赤い軽自動車に乗って、街へと走らせる。


(なにか悩み事とか……)


多感な思春期の高校生が、悩みを抱えて学校を休むのはよくある事。
唯は彩花もそう≠ノ違いないと思っていた。
いや、そう思うよう努めていた。


「浅井先生ッ……な、なっちゃんを…ッ……なっちゃんを一緒に探してください!」


あの日の逼迫した彩花の姿が頭から離れない。
池野夏美の下校時の行方不明という事案は、次の日には《事件》となった。
まだ体調が回復していないのに、彩花は登校してきて唯に直談判した。


「私が学校を休まなきゃ……私がなっちゃんを守ってやれなかったから…ッ」


未解決なまま、数週間が過ぎた。
必死な捜索と毎日のように行なってきたビラ配り。
その努力が実ってか、古芝風花という報道記者の協力も得られ、その活動をテレビで広く伝える事も出来た。

……悩み事とは、それしか考えられない。
ハッキリと進展したとは言えず、まだまだこんな日々が続くのでは……そんな事を考えているうちに、通学路から足が遠のいてしまったのかもしれない。


ビラ配りをした駅には……彩花は居なかった。
里奈と夏美と彩花とでよく遊んだという公園にも、やはり彩花の姿は無い。


(……まさか…ッ!?)


唯は心当たり≠ェある場所を思いだした。
それは彩花がポツリと漏らした、あの場所である。


「……そこに行けばなっちゃんが待っていそうで……」


そこは禁忌の場所である。
池野夏美を飲み込み、未だに解放してくれない街外れの路地裏……。
あの場所で夏美との思い出に浸り、必ず見つけ出してあげると決意を新たにしているかもしれない……。


「……もしもし、教頭先生ですか?浅井です。あともう一ヶ所だけ回ってから帰ります」


少しの外出のはずが、もう一時間を過ぎていた。
夕暮れは迫り、辺りの視界はどんどん悪くなっていた。
目視によっての捜索は、もう難しいだろう。


(此処だけ探したら……)


唯の乗った軽自動車は、あの狭い路地裏へと急ぐように入っていった……。


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