第六章 ロスト・アナル・ヴァージン-1
第六章 ロスト・アナル・ヴァージン
『映見ちゃーん・・・』
秋生の大きな声で幕が開いた。
『裕くーん・・・』
そらちゃんの笑い顔が続く。
さっきの6Pが始まる前と同じく服を着たままの姿で、みんなが映っている。
恐らく応援コメントの後、続けて撮影したのだろう。
桜さんも気品のある和服姿で笑っている。
再生ゲージを見ると、まだ1/10のほど、残っていた。
まだ、何か演出があるのだろうか。
僕は想像もつかないまま、画面を見続けた。
『映見さん、裕太君・・・
楽しんでいただけましたか?
でも、まだ終わりじゃないです・・・』
新藤さんが、いつもの真面目な口調で言った。
隣りで藤本さんが苦笑いのような複雑な表情をしている。
その様子を眺める、かおりさんが嬉しそうに笑っている。
『ウッ・・エヘンッ・・・』
咳払いした藤本さんが何か覚悟を決めたのか、真面目な表情になった。
『わ、若槻さん・・ゆ、裕太さん・・・』
いつもの低い声が落ち着きを失くし、裏返っている。
『フフッ・・フフフフ・・・』
かおりさんが笑いを堪え切れないように、肩を震わせている。
『あの・・・その・・だね・・・?』
助けを求めるように秋生の方を見た。