屠畜-14
(こ……古芝…ッ)
大きな目と大きな口は、これ以上は無いと思うほどに開ききっていた。
モジャモジャに生えた陰毛のせいで肛門の状態までは分からないが、それでも挿れるはずのない部位に無理矢理に捻り込まれた激痛が如何許りなのかは、その悲痛に過ぎる表情から読み取れた。
「ぶあ"ッッ…!?」
彩花は強烈な張り手に見舞われた。
それは意識の喪失と、同じタイミングで喰らわされた。
『オイオイ、気絶すんじゃねえよ。巻き添え喰らわされた彩花ちゃんと、これから姦られちまう浅井先生の《恨み》を俺達が晴らしてやってんだぜえ?』
『もう無関係じゃねえんだ。最後まで付き合ってもらうからよお』
「ふ…ッ…ぐふッ」
男共の興奮は高まる一方だ。
闘志は失せたとはいえ、彩花は犯罪集団を相手に闘いを挑んだ強い女だ。
そして風花は、男共のみならず、レイプDVDに関わる全ての人を地獄へ送ろうとした重罪人だ。
自分のした事、やった事の《罪》を悔い、死ぬまで苦しむのが同然。
それは風花が口にした論理を、極論にまで高めたものだ……。
『風花ちゃんたらクソ穴掘られてマン汁垂らしてますよお?オマンコにもチンポが欲しいってさ』
『クククッ!可愛過ぎるぜ風花ちゃん?じゃあさっそくブチ込んでやるかあ』
「ん"あ"あ"あ"ッ!?ひ…があぁあぁあッッッ!!」
意識すら崩れ落ちそうになっていた風花は、この前後が入れ替わった挿入に《快感》を覚えていた。
意志を見せた。
抗い続けた。
其れ等が何かを得たかといえば、何一つとして得たものは無かった。
卑猥な質問責めを鼻で笑う陰部の開帳という羞恥。
その羞恥すら吹き飛ばす浣腸による強制排泄に、もはや自尊心すら保てなくなってしまっていた。
あらゆる性感帯を弄り回されながらの前後からの排泄は、健全な精神と堕落した肉体とを完全に分離させた。
『可愛いぜ風花ちゃん……もっと俺を夢中にさせろお……そしたら浅井唯とかいうメスは、しばらく放置してやってもイイぜえ?』
崩壊していく心……その最中に、風花は忘れてはならない使命を思い出していた……それは今朝の行動へと突き動かした想い……哀しみの連鎖を断ち切るという想いだ……。
(……浅井…せ…先生…ッ……浅井先生だけは……ッ)
ギュウッと曲げられた足の指……その震えは脹脛から太腿まで伝わっていき、それは下腹部の強張りへと変わっていった……。
『く…おぉッ!?き、気持ち良いぜ風花ちゃん……な、なかなかヤルじゃねえかあ』
忌まわしき男根を、風花は懸命に締め上げる。
排除が叶わぬならば、いっそ飲み込んでしまえばいい。
汚されて壊されて姦されてしまった身体なら、何を惜しむ事があろうか……。
それは捨て身の行為だった。
これが無能と蔑まれ続けてきた、風花の《闘い方》だった……。