しにがみハート#3-1
夏休みも明け、9月になった。幾分か暑さはおさまり、心地よくなったかも。涼しくはないけど。
「なぁ〜、今日転校生来るんだってよぉ。」
隣で俺の親友、佐上理人が呟く。
中3で転校とは、大変な家庭なんだねぇ。
「ほぉー。」
「可愛い子だったらどうする?」
「別にどうもしないよ。」
俺には絢芽が居るんだから。どんな美少女だって惑わされないぜ!!
「俺は狙ってやるからな!!」
「勝手にしやがれ!!俺は寝るッ!!」
そうして俺は机に突っ伏した。
「ほーら、今日は転校生を紹介するぞー」
ガラガラと教室のドアが開き、先生が入って来る音がする
おっ、来た来た。
「可愛いー!!」
騒ぎまくる教室。
俺は突っ伏してるので、声だけ聞こえる。
「え〜と、自己紹介よろしく。」
「えー、新堂絢芽です!!よろしくお願いしま〜っす!!」
おぉ、死神のほうの絢芽と名前が同じだ。今日報告でもしてやるかな。
「え〜と、新堂さんは席は何処がいいかな?」
「あ、えと…あれ!!孝紀さん!!の隣で!!」
むぉ?なんか殺気を感じるような…。
「孝紀…、起きろ…。」
なんか生気が全くこもってない声で理人が言う。
「なんだよ理人ぉ…。」
眠たい目を擦りながら起き上がると、そこには見慣れた顔が…?
あ、あれ?違うよ。違う。だってあいつ死神だし。こんなとこ居る訳無い。居る訳ないよなー、ここ学校だもんなー…。うし!!夢から覚めろ俺!!