秘密の社外業務-8
理央はとぼとぼと、佳織の側へ寄る。
何度も触れたくて触れたくて堪らなかったその体に躊躇無く触れる隼人を見て、見たくないと思う一方、羨ましく思ってしまう。
「ごめん、本間さん」
震えながら唇を近づけた。
柔らかな、甘い弾力を唇に感じる。
佳織は自ら唇を開き、理央の舌を口腔内へと導いていく。
隼人に秘部を触られながら、びくびくと震える佳織は、隼人にしがみついていた手を離す。
そして、理央の体を引き寄せ、もっともっとと言わんばかりに唇を求める。
それでも理央は体を強ばらせ、ベッドに腕をついたまま動くことができなかった。
「佐藤くん……嫌……?」
唇を離すと、目を潤ませた佳織が聞いてくる。
佳織を後ろから抱きしめている隼人は佳織の秘部から手を離した。
二人が何を発するのか耳を傾けているようだった。
「本間さんは僕に触られて、嫌じゃない?」
「何でこの状況でそんなこと、あたしが思うの」
「僕は本間さんのことレイプしたよ」
「だから、そんな風に思ってないってば」
理央はぎゅっと唇を結ぶ。
「だってーーー」
後ろから抱き留める隼人の手を払い、子供のように泣いてしまいそうな理央の口を佳織は右手で抑える。
「聞き分けのない後輩ね」
切れ長の目で理央をじっと見つめると、佳織は理央の腕を引っ張り、ベッドに押し倒した。
「理央……あたしのことレイプしたから傷つけたくないって言っときながら、武島くんとあたしが一緒にいるの見たくないって、それ独占欲でしょう?じゃあ、あたしとセックスしたいのが本音ってことじゃない」
「そ、そりゃ……」
佳織は隼人のことなど気にせず、「理央」と名前を呼んだ。
理央の体に馬乗りになると、理央のバスローブの紐を解く。
そしてボクサーパンツをずらして、理央のそれを取り出す。
いく筋も血管が浮き立ち、一般的なサイズより太めのそれは、明らかに佳織に対して欲望を主張している。
「ごめん、武島くん。今日は理央が特別……」
佳織は後ろにいる隼人の方を向いて、妖艶な顔つきでそう言った。
佳織は理央の肉棒に触れると、裂けたストッキングの隙間から自らの秘部へ肉棒をこすり付け、理央が止める前に自らのそこへ引き込もうとする。
「ほ、んまさんっ、だ、だめっ……」
「ほら、理央は、そうやって……優しい……ぁあっ、もう、入ってるっ……」
理央のそれが佳織の最奥に触れると、佳織は思わず体を震わせてしまう。
その光景を後ろから、隼人は何も言葉を発さずに眺めることしかできなかった。
隼人だって、佳織だって、理央が佳織に思いを募らせていることはとうに知っている。
佳織をそんな風に思うからこそ、理央は佳織と肩を並べて歩く隼人に嫉妬するし、独占もしたい。だが、一方で佳織に触れることが怖くて、大事にしたいと思うのだ。
ーーその意味で、避妊をしないというのは、理央にとって最も許せない行為だろう。事実、理央はこれまで一度も欠かしたことがなかったし、避妊をせずセックスするなど、考えたことがなかった。