搾精-6
「わかってる、大丈夫だよ入れたりとかしないから……このままの姿勢で、上向いたまま、はぁ、はぁ、って、あえいでみて」
まだちょっと怯えたような顔の綾菜ちゃんが、小さくこくん、とうなずく。軽く目を閉じ、開いて唾液で湿った唇の間から、はぁ、はぁ、と、切なそうな吐息を漏らす。オナニーしたばかりの綾菜ちゃんの、小学6年生の息臭。裸で、ふくらみかけのパフィーニップルの乳首を小さく勃起させて、生えかけの幼膣から愛液の恥臭を漂わせて、大人と子供が混じり合った匂いの息臭の吐息を漏らす綾菜ちゃん。それを仰向けに横たわった綾菜ちゃんの身体の上から見下ろすのって、これもう正常位で綾菜ちゃんとセックスしているみたいじゃねえか。裸の綾菜ちゃんとベッドの上で、綾菜ちゃんのパフィーニップルのかわいい乳首を愛撫しながら、綾菜ちゃんの初経前の生えかけ小6おまんこに勃起したおちんちんを入れて、熟成されていない膣分泌液で濡れた未成熟で短く狭い幼膣の中でおちんちんを動かして、その刺激でエッチな気持ちが昂まって漏らすあえぎ声のときの吐息のような、唾液の微粒子の混じった、湿っていて生温かくて、甘酸っぱさとフェロモン臭が混交された、女の子とセックスしているときにしか嗅げないような、オーガズムに達したあとの小学6年生の綾菜ちゃんの息臭。綾菜ちゃんの小6おまんこのすぐそばで陰茎を握る右手が加速する。くはあ、綾菜ちゃん、綾菜ちゃんの小6おまんこの膣にいっぱい射精するよ。
コンドームの中でおちんちんが激しく律動する。精液溜めの白濁液に付いたままの尿道口から、たぶん色も濃度も薄い、今日三度目の射精の精液が、それでも勢いよく噴出した。
一瞬でアドレナリンが枯竭し、全身が脱力感に覆われる。最後の力を振り絞って身体を起こし、綾菜ちゃんの隣に横たわる。二人して裸で並んで荒く息を吐いているって、なんだか本当に綾菜ちゃんとセックスした後みたいだな。
綾菜ちゃんが俺の顔を見て、照れたような笑顔になる。
「二人で、いっしょにイッちゃったね」
仰向けの綾菜ちゃんの胸で、ツンと天井を向いて尖るパフィーニップルがかわいい。やっぱり右手が。
「だめ、だってば」
綾菜ちゃんの左手がぺし、と俺の右手をたたく。
「あ、お兄ちゃん、こんどーむ」
起き上がった綾菜ちゃんが、俺の萎縮し始めたおちんちんを指差す。軟らかく縮んでいくおちんちんからコンドームを外すのは、被せるときよりもはるかにスムーズだ。
三回分の射精を溜めたコンドームを、綾菜ちゃんがあどけない笑顔でつまむ。どう見ても不似合いというかシュールな光景だけど、法律が緩かった時代ならこういうシーンが援交系動画にあったのかもしれないな。
コンドームの開口部に綾菜ちゃんが鼻を近づける。
「わあ……せーえきの匂いだぁ。男の人が、せっくすしたりおなにいしたりして、ぴゅっ、と出しちゃったせーえきだ」
こないだ俺の精液を吸ったティッシュの匂いを嗅いだときのあの臭がったときとはぜんぜん違う、はしゃいだ声と無邪気な笑顔。
「お兄ちゃんの、おちんぽの匂いもする」
え、そうかなあ。思わずまだ露出したままの亀頭に目をやる。
コンドームの開口部あたりを捻るようにして留め、それを手のひらの上に乗せた綾菜ちゃんが、とん、とベッドから下りて学習机にコンドームを置く。ベッドの上の俺を振り向いて、あのジュニアアイドルがエンディングで、夕暮れの海辺をバックに見せたような笑顔になる。
「お兄ちゃん、ありがとう。このせーえき、大事にするね」
「あ、うん……」
「彼氏ができるまでは、お兄ちゃんのせーえきで、いっぱいおなにい、しちゃおう」
うまい言葉が出てこない俺に、綾菜ちゃんがあの、喫茶店でしのちゃんとさおりさんの目の前で俺に抱きついたときと同じ笑顔で続けた。
「だからお兄ちゃんも、綾菜でいっぱい、おなにいしていいよ。でも、綾菜に彼氏ができるまでね。そしたら、綾菜でしゃせーしていいのは、彼氏だけ。お兄ちゃんにはしのちゃんがいるでしょ」
繁忙期でもここまでは、っていうくらいに疲れ果てて家に帰ると、もう時計は十一時を回っていた。昨日も今日も三回ずつ、人生で最高頻度じゃねえのかこれ。
もうシャワーを浴びる気力もない。念のためにスマホのアラームを五分おきにあと二つ追加で設定する。そのスマホを握ったままベッドへ倒れ込む。
ひゃん、とスマホが鳴る。待ち受け画面にさおりさんからのメッセージの着信が通知されていた。
「こんばんは。今日はしのは、放課後からずっと喫茶店で過ごしてました。なにも言わなかったのに自分から宿題を開いてまじめに解いてたの。お兄ちゃんに褒められたいんだって。次にあったときに、えらいね、って言ってやってね。おやすみなさい」
罪悪感が胸を走る。しのちゃんがちゃんと宿題をやっている間、俺は綾菜ちゃんの誘惑に負けて三度も射精していたのか。結果的に綾菜ちゃんの身体にはほとんど触れなかったし、綾菜ちゃんの口ぶりから俺に対しては特別な感情とかもなさそうだけど、しのちゃん以外の女の子と二人っきり、それも裸で過ごしたのは間違いない。
ごめんなさい。睡魔に襲われながら、胸の中でしのちゃんに詫びる。こうやってしのちゃんに謝るのって何度目だよ。ため息をついた俺は、メッセージアプリを開いたまま眠りに落ちていた。