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午前零時のイブ
【ファンタジー 官能小説】

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午前零時のイブ-1

継母のカリスは自慢の屋敷を、毎日一部屋ずつ床や壁、すべての家具を光り輝くまでに磨かせます。そうしながら自分はというと、それをながめては、美しい銀食器の曇りを探してばかりいました。
少しでも曇りが残っていたら、夜中であろうと全てを磨きなおさせる、氷のような心を持ったババアでした。
大姉のサリはおしゃれが命、何枚ものドレスを仕立て、季節が変わるたびに「お母さま、今のはやりじゃないの。こんなみっともないものを私に着ろというの」と言って怒ります。そして勝手に仕立屋に行ってしまいました。
いっぱいドレスを持っていても、下の姉のランにも貸すことはありませんでした。
下姉はお菓子が大好きでした。うれしいと言っては食べ、天気がいいと言って食べます。悲しいと言っても食べます。
「髪をセットしてちょうだいな」タルトをほおばりながら、下姉が言います。
跳ねっ返る赤毛の頭髪を結い上げると、こんどは「下もよ」
イブは姉のふくらんだスカートの中に入れられました。パニエはまるで鳥かごのようです。
蒸れた匂いが鼻をつきます。
シュミーズを持ち上げると、顔の前に、もじゃもじゃの毛が現れます。それを一方向へ流していきます。
姉たちは美しく着飾りはしますが、濡れるのを嫌がってほとんど風呂にも入りません。
一度着ると美しいドレスも垢にまみれ、匂いを放ちます。皆がそんなものだと思っていました。
代わりに香水を浴びるほどつけていましたから、離れていてもだれが来るのかわかるくらいです。
ランはイブの頭を股に押し付けながら大きくうなり声をあげます。「して」
すりつけられた、陰部をなめさせられます。
「本当、お前は上手ね。ああ、チビッてしまったわ」下姉は腰を震わせ、そのままイブの顔の上に漏らしました。
しばらく動くことができません。じっと耐えていました。
「おまえ、床を濡らしたわね。きちんと掃除しておきなさい」部屋を出て行きます。「なめられるくらい綺麗にするのよ」
その通り、今までにも床を舐めさせられたことがあります。
イブは逆に、水浴びが大好きでした。それは今のように必要に迫られたせいでもありました。
水桶で、汚された顔と体を洗い、服とコルセットをゆすぎ、床に灰を撒いて洗います。
おかげで屋敷の者たちからは灰被りと呼ばれていました。女中ですら、陰ではそう呼びます。
それはいつものことでした。
着替えのシュミーズだけで仕事を続けるしかありませんでした。
少しでも文句を言おうものなら、継母が、「あなたはうちの子じゃないの。ただの妾の子なのに置いてやってるのよ。嫌なら出てきなさい」
妾ではありません。この女が一度家を出て行った後の子です。イブが生まれた後、しばらくしてお母さまが亡くなると、舞い戻ってきたのです。
それでも、出て行けと言われて、娘一人が行けるようなところはありません。
「そうね、出ていけるとしたらどこかの家に嫁ぐか、娼館にでも行くしかないわね。 でも、あなたの嫁ぐ家なんてなんてないわ。家名も持っていない者がどこにいけると言うの」
そしてもっとひどくいじめます。
黙っている方がましでした。


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