面接-11
「んんん…」
翌朝10時、都姫は目を覚ます。ポーッと天井を見つめる都姫。完全な二日酔いだ。頭が痛い。
「昨日飲みすぎたー…」
鉄平と飲んでいたが、だいぶビールを飲んでしまった事を思い出す。
「昨日…」
鉄平と酒を飲んでいたが、途中から全然思い出せない。気分良くビールを飲んでいたのは分かったが、頭痛が邪魔をして記憶が呼び出せない。
(私、どうやって部屋まで帰って来たんだろう…。神谷さんはきっと終電逃しただろうから、どうやって帰ったのかしら…)
そう思い、寝返りをうつ都姫。
「ん…?」
その瞬間、違和感を感じた。なぜなら半身になった視線の先に、人の背中が見えたからだ。一瞬動きと思考が止まったが、すぐに酔いが冷めるほどびっくりしてその背中から離れてベッドに座り込んだ。
「えっ…!?えっ…!?」
状況が理解出来ない。だが間違いなく同じベッドに男がいる。そしてその男は間違いなく鉄平だ。都姫の頭の中は混乱する。
(な、何で神谷さんが私の部屋に…?)
そして気付くと鉄平は裸だ。ドキッとして自分の体を確認すると、やはり裸であった。
「えっ…!?ええっ…!?この状況って…」
焦る都姫は手で自分の股間を確認する。
「う、嘘でしょ…!?や、ヤッちゃった…!?」
記憶には全くない。だが自分の体からはセックスした形跡が確認出来る。そしてよくよく思えば口の中に広がる不快な匂い。
「えっ…!?ええっ…!?しかも、飲んだ…!?」
一体自分はどうなってこうなったのかと頭を抱えた。
「んんん…」
その時、鉄平が目を覚ます。緊張が走る都姫は思わず布団を引き寄せ体を隠した。その拍子に鉄平の体から布団がなくなり、下半身をモロに見てしまった。鉄平のペニスは剥けていて、しかも立派なものだった。
「あ…、おはようございます、CEO…。」
頭をかきながら目覚めた鉄平は、この状況に慌てる素振りは見せなかった。
「あ…、あ…」
言葉が出ない都姫。
「ん?どうしたんですか?」
「ど、どうしたも何も、コレって、一体どんな状況なんですか…?」
「どんな状況って…、覚えてないんですか?」
「う、うん…」
怯えながら肩を窄める都姫。
「マジっすか!?俺、無理矢理こう言う事した訳じゃないですからね!?」
「ほ、本当…?」
疑いの目を向ける都姫に鉄平は焦る。
「ほ、本当っすよ!」
その慌てぶりから無理矢理行為に及んだわけではなさそうなのは理解出来た。