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オンナ狂 神谷鉄平
【OL/お姉さん 官能小説】

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面接-10

鉄平は意外と仕事の話しかして来なかった。一般企業に勤めた事がない都姫にとってはそれが物凄く興味深かったし、仕事の参考になるとも感じた。話に夢中になりどんどんビールが進んだ。
「神谷さん、私のプライベートは全然聞いてこないんだね。」
「聞いて欲しいんですか?」
「そ、そう言う訳じゃないけど、女性大好きな神谷さんなら、彼氏は?とか、普段何してるのとか聞いてくるかなーって。」
「そうですねー。ナンパとか、狙ってる人なら聞きますが、今はフェミニンマインドに入りたくてこうして飲んでる訳だから不要だし大きなお世話かなって。」
「アハハ!神谷さんて意外と真面目!」
「別に四六時中女の事ばかり考えてる訳じゃないですからねー?」
「そーおっ??」
酒が進み都姫もだいぶハイになって来た。酔ったせいか32歳にもなる女がこんなイケメンと2人きりで酒を飲めるのがむしろ幸せに感じて来たりする。都姫は自分から自分の寂しい状況を口にし始める。
「私だってね、彼氏が欲しいし、結婚もしたいの。でも自分が手を抜いたり他の事に時間を割かれたりして走るのをやめたら会社がダメになりそうでね、会社第一で今も働いてるの。お酒ったってビール買ってウチで一人で寂しく飲むだけ。土日は疲れて遠出する気にもならないし、友達は結婚して家族優先だし、なかなか会う機会もないし。もう恋愛とかは諦めたわ。仕事は嫌じゃないし、好きだから。」
自分は神谷にこんな話をして慰められたいのかと思いながらついつい愚痴っぽく話してしまった。
「それも生き方の一つですよ。パートナーがいないのが寂しい生き方ってのは古い考え方です。今は一人でも充実した生活が出来る世の中です。自分の生き方に自信を持ってればいくらでも輝けるってもんです。CEOは物凄く輝いてますから自信持った方がいいですよ?」
「えっ…?」
鉄平の言葉が物凄く心に響いた。自分の生き方を褒められたせいか物凄く嬉しかった。それがフェミニンマインドのCEOとして嬉しかったのか、一人の女性として嬉しかったのかは分からないが、とにかく人生で1番嬉しかった言葉かも知れなかった。
「もぅ、上手いわね!さすがプレイボーイ♪」
その嬉しさを隠すかのようにビールをグイッと飲みそう言った。
「ははは!飲み過ぎですよ?」
「何か楽しいからもっと飲みましょ!お兄さーん、ビールぅ!!」
「はい、ただいま!」
運ばれたビールを美味しそうに飲んで行く。都姫の方から鉄平の女武勇伝を聞き出し、色んな引き出しからその武勇伝を出して話す鉄平にケラケラ笑いながら楽しい時間を過ごしていた。長い間押し殺して来た本当の自分に戻れたようで都姫は気が楽になり、自分の限界を考えず、まるで学生時代のようにビールを飲み干して行くのであった。


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