孤児院で……-2
ヨウコが気付いた時、部屋の中は嬌声にあふれていた。
ヨウコが気を失うのを見て興奮したホワがグエンにすり寄ったのをきっかけに乱交が始まっていたのだ。
(逃げなきゃ……)
そう思い、四つん這いで脱がされた下着とショートパンツをかき集めていると、後ろからいきなり腰を掴まれた、グエンとは別の男の子もヨウコを狙っていたのだ。
「やめて、痛いからやめて、やめ……ぎゃっ」
まだ血が流れている膣にペニスを突き立てられた。
「痛い……やめて……痛いからもうやめて……」
泣きながら赦しを乞うヨウコに構わず、男の子は好き勝手に腰を振りヨウコの中に精をぶちまけた。
ようやく解放された……と思ったが、そうはいかなかった、ヨウコはもう一人の男の子に仰向けにされ、3本目のペニスを突き立てられた……。
逃げる気力も失い、放心状態で横たわるヨウコだったが、ふと気づくと乱交パーティも終わりに近づいていたのか、抱き合ったままのペアがゆっくりと腰を動かしている。
ヨウコはのろのろとショートパンツだけを穿くと、下着をポケットにねじ込んで部屋を這い出した。
「どうしたの? 顔色が悪いよ」
9歳の女の子が暮らす部屋に戻ると同室の仲間が心配そうに顔を覗き込む……だが、犯されたなどと言えるはずもない。
「ちょっと具合が悪いの、先に寝るね」
ヨウコはそう言ってベッドにもぐりこんでシーツをかぶった……。
もちろん、それ一回きりでは済まなかった。
グエンはヨウコに執心し、何度も犯された。
12歳の男の子部屋に直接引っ張り込まれたことも度々ある、そんな時は2人、3人では済まない、5人、6人と続けざまに犯される。
そして、ヨウコにとっての恐怖は男の子だけに留まらなかった。
ホワ達、女の子のグループだ。
自分達の部屋に引き込んでいるうちは自分たちも共犯だったが、直接男の子の部屋に引っ張り込まれるようになると、風当たりがきつくなった。
『チビのくせに自分から誘惑してるんじゃないの?』と言うわけだ、もちろんそんな気はさらさらなかったのだが……。
そして陰湿ないじめも受けるようになったが、ヨウコは耐えた。
(もうすぐこの人たちはいなくなる、それまで耐えなきゃ……)
そう思ったのだ。
だが、グエンやホワ達が社会に放り出されて居なくなっても事態は変わらなかった。
新たに12歳になった子達の餌食にされただけ……むしろグエンたちの方がマシだったくらいだ。
そして、ヨウコに対する暴行やいじめは職員の知るところとなった。
ところが……職員はヨウコを守ってはくれなかった。
最年長の子たち持つ『力』が孤児院の平静を保っている、ヨウコのような異分子が酷い目に遭うことで『力』の存在が年下の子たちへ浸透し、圧力になる……どんな思いで過ごしているかはどうでも良い、職員にとっては管理しやすいことのほうが重要なのだ。
要するに最年長の子たちが孤児院の『法』だと認めているようなものだ、
そして、ヨウコのように特別な容姿を持つ者は職員にとっても『余禄』になり得た、暴行に加担することによって最年長の子たちとのつながりを深めることが出来る、その上性欲も満たせるのだから一石二鳥、そう言うわけだ。
それが院長にまで及んだ時、ヨウコは絶望を感じて孤児院を飛び出した。