20)目の前で出入りするモノ-3
さなは、人がキスをしているところを見るのは… もちろん、初めてだった。
テレビドラマのキスシーンでさえ、顔で隠れて唇が映らない演出の物しか見た事が無かったので、本当の本当に初めてである。
でも、その記念すべき初めて見るキスが… 映像では無く目の前で直接の… しかも、舌が絡まり合う性的なキスになった。
キス、と言えば、唇が触れ合うもの… くらいの知識しか無かった小学生の少女にとっては、目の前で別の生き物の様に絡まり合う舌と舌は、正に『 青天の霹靂(へきれき) 』である。
そして、もちろん、少女にとっては知らない言葉であるが、今、全裸の2つの肉体がとっている格好は『 対面座位 』という姿勢であった。
因みに、その前までの2人の格好… 『 騎乗位 』という言葉も、さなは知らない。
2人の男女の… 少年とおばさんの舌が絡まり続けるのを、11歳の少女は目の前でずっと見続けていた。
見続けさせられているのか、自分の意思で見ているのか、その辺りの感覚もあやふやになっている。
「 はあっ はあっ はむっ はむっ むちゅっ ちゅっ ちゅぴ… ぬちょっ ねちょっ 」
お互いの舌が唾液をまといながら絡まり合う粘液質な音も、しつこく少女の耳に入って来る。
もう10分以上は経った頃に、一度、ゆうこの方から唇を離して激しく息をついた事があったが、数秒後には、ゆうこの舌が精一杯に突き出されて、雄一の口に突っ込まれていった。
さなの目には、どう見ても、ゆうこの方が積極的にキスを仕掛けている様にしか見えない。
雄一の腕は、ゆうこの腋の下から背中を支えている感じだが、ゆうこの方は、両腕をしっかりと雄一の首に巻き付けて、しがみついて夢中になって舌を動かしている様なのだ。また10分以上経ってから息継ぎをして、また、ゆうこの方から舌を突っ込んでいく。
しかし、この永遠に続くかもしれないキスに、ついに一区切りが付く時が来た。
さなにはよく分からなかったが、キスの流れを読み切った雄一が、絶妙なタイミングで、腰を軽くではあるが突き込んだのだ。
「 ひいいいっ! 」
さなには、突然、ゆうこがキスの口を放して仰け反った様に見えた。
そして、もう1回。
「 いいいいいいいいっ! 」
さなの目の前で、アラフィフのおばさんが黒髪を振り乱しながら悲鳴を上げる。
今度は、雄一の腰が動いた事が、さなにも分かった。
さっきからキスにばっかり気を取られていたけれど、その間もずっと、雄一のおちんちんがゆうこの体内に突き刺さっていた事に改めて気付く。
また、雄一の腰が僅かに、でも鋭く動く。
「 いいいいいいいいーーーーーーーーっ! 」
ゆうこが下品に顔を崩して、髪と涙を振り跳ばしながら顔を横に振る。
今度は雄一の腰が、軽くリズミカルに動く。
「 いっ いっ いっ いっ 」
雄一の口が、おばさんの唇をふさぐ。
「 m… m… m… m… 」
雄一の腰が、鋭く一突きする。
「 mmーーーーーーーーっ! 」
更に、もう一突き!
「 ひいいいいいいいいいいいいいいいーーーーーーーーーーーーっ! 」
ゆうこがキスを振り払って硬直する。
「 ぃぃぃぃぃぃぃぃ…………………… 」
まるで余韻の様に、息が口元から漏れ続ける。
いつの間にか、さなの心は、目の前で行われているセックスに飲み込まれていた。
普段はいつも、余裕のある笑みを浮かべているゆうこが、獣の様に叫び、下品に舌を突き出し、髪を振り乱している。
本当は見てはいけないものなのに、目線を自由に動かせない。
「 いいいいいいいい… 」
また、涙を流しながら、ゆうこが仰け反る。
雄一の腰づかいが複雑になってきたのが、さなにも分かる。
いつの間にか、また『 騎乗位 』の姿勢に戻りながら、寝ころんだ雄一の上で、ゆうこが一人、上半身を立てたまま、ふらふらと揺れたり、仰け反って固まったりを繰り返していく。
雄一は、もう一度、しっかりとゆうこの巨乳をつかみ直してから、一突き一突き、ゆうこの膣壁の どこ を突くかを考えながら、丁寧に、しかし鋭く、突き続けていった。
「 そろそろ、一回、逝かせようかな… 」
体感だが、たぶん、最初に挿入(い)れてから2時間以上が過ぎているはずだ。
雄一は今までの数多くのセックスの経験のおかげで、持続力には自信を持っていた。
さすがに、初めての時は、入れる前にフェラで数回抜いてからなのに、挿入後数分で発射してしまった。もちろん、コンドーム越しなのにである。
でも、その後、高校生の時は放課後や毎週末、そして、専門学校に入ってからは毎日のように、アラサーアラフォーのおばさん相手にセックスの腕を(竿を?)磨いてきた。そのおかげで、今では射精は我慢しようと思えばいくらでも粘れるし、発射しようと思えばいつでも発射できる様になっていた。