続・花ホテル〜first night〜-22
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(それにしても・・・・)
南仏独特の日差しの下、
プールサイドで4つん這いになり、佐々木の愛技に身を委ねながら杏子は思った。
(こことも、あと少しでお別れ・・・)
両脇から佐々木の手が水着の生地の下に差し入れられ、
彼の手と指が杏子の豊かな実りとその先端に向かって巧みに刺激を与えていく。
(本当に色々あったけど・・・・)
背中に佐々木の胸板の堅さと熱を直接感じつつ、耳元では杏子の黒髪に顔を埋めている男の荒い吐息を直接受け止めている。
(ホテルの女主人で呼ばれるのも、もう終わりね・・・・・)
大きく足を広げた杏子の臀部は、
下腹部を覆う水着の生地を大きくずらす形で佐々木と繋がっていた。
(あと少しで、彼と肩を並べてホテルを後にする・・・)
杏子の身体の奥で波打つ中でも、熱さと固さを失うことなく前後上下に動く
熱と固さ。
互いが繋がっている部分からは佐々木の腰の動きにあわせて、肉と蜜とが絡み合い擦れ合う音が微かに漏れ出てくる。
物思いに耽っていた杏子の意識はその都度途切れ、自然と柔らかい唇の隙間からは喘ぎと吐息と共に、佐々木を求める哀願の声が漏れ出ていた。
(次に向かうのは、彼と作っていく第2の花ホテル・・・)
既に杏子の中には、かつて2人の夫を喪った直後や、女主人として花ホテルを取り仕切り始めた当初に感じていた不安はない。
新たなるパートナーを得、彼と身も心も1つになることで、
次なる花ホテル実現に向けて希望と期待が宿るのみ。
「貴方・・・・・」
「杏子・・・・・」
つい口に出た言葉に佐々木が答えた時、2人は全身で相手の絶頂を共有していた。
そのまま男と繋がったままプールサイドに崩れ落ちるようにうつ伏せで倒れこみ、
忘我の縁で杏子がぼんやりと垣間見たもの。
それはまだ行ったこともない海岸の岸壁に佇む花ホテルの白い建物の姿だった――――――――
――――― 完 ――――――