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麻薬
【女性向け 官能小説】

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麻薬 Scene2-1

沙希に、男の影が見える。
俺の前で、快楽にとけ切った顔をして喘ぐ女。
まだ挿入もしてないのに、既に一度イッている。
深夜のオフィスに、喘ぎ声と水音が響いている。
「だ、大輔……も、ダメっ……!」
沙希の足の間から顔を上げる。俺のデスクに座り、椅子に座ったままの俺の顔の前で、大きく脚を広げている。シャツだけ身につけているイヤラシイ格好だ。愛液は、デスクマットに滴り落ち、床にまで達していた。
「まだイカせない」
沙希の恥部のすぐ横の柔らかいふとももをつかみ、唇を寄せた。
きつく吸い上げて、痕を残した。そのままいくつかキスマークをつける。
「これで他の男に脚を開けられないな」
椅子から立ち上がって、ズボンとトランクスを脱ぐ。沙希が少し怯えた目で見た。
「そんな……他の、男なんていな……んんっ!」
乳首をいたぶりながら、胸にもキスマークをつけた。同時に欲望を沙希の中に突き刺す。
「ああっ!」
沙希の瞳にうっすら涙が滲んでいる。
「…これで、お前は他の奴の前で裸になれないな」
「大輔っ……あたっ…んあっ!他の人なんてぇっ……ああんっあっあっあっあっ!!あんんっ!」
お前は俺のモノだ。
口に出せず、ただひたすら腰を振った。
別に、沙希の身体に何か痕があるとか、反応が変わったとか、そんなんじゃない。
カンだった。
最近、少し綺麗になったと評判が高い。
俺といる時に、よくメールが入る。時々、電話。
でも沙希はそれに出ない。出ないでいいのか聞いても、笑って「いいの」と言う。
…それだけか、と笑われるかもしれないが、充分じゃないか。
前にはなかった行動。
それが俺を苛立たせる。
「あっ……あたしっイッちゃうっ!!あんっ!大輔っ……いやっダメぇっイクっイクっ!!」
沙希の中がぎゅうぎゅうと締まる。
いつも思うが、俺たちは「肌が合う」。
沙希は何回もイクし、俺は何度も復活する。
こんな女、他にいない。このまま沙希の中に液を噴出させたいのを堪え、引き抜く。
「後ろ向いて…」
沙希の白い尻を掴み、ぐちゅっ…と音を立てて沈めた。
「あぁん……おっきいぃ〜きついよぅ〜はぅっあっあっあっああ〜ん」
沙希の喘ぎが訳分からないものになってきた。
イキっぱなし状態になるとこうなる。
卑猥な言葉もばんばん言うし、エロイことこの上ない。
「沙希、俺のちん○ん好き?」
「はっ……ああ、うんっ…好きぃ……」
俺のことは?
馬鹿げてる。
「好きだ」と言わずに始まった関係なのに。
酔った勢いで、誘った。ダメ元だった。断られたら笑って済ませたらいい。
沙希が応じてくれたら……どうするか考えてなかった俺がやっぱりバカなのか。
「応じる」なんて思えなかった。酔ってるからって、勢いで男と寝るなんて、沙希はそんな軽い女な訳ないんだ。
しかも、俺は同僚。……考えたらよく軽蔑されなかったもんだ。
「大輔…っ!!も、ダメ……一緒にイッてぇっ!」
沙希にのしかかり、身体を合わせた。
「沙希……イクよ、中に出すよっ……うあっイクっ!!」
「来てっ!あっあああっイッちゃう!!ああーん!」
沙希の叫び声と同時に、中にたっぷりと精液を注いだ。


社内恋愛、いや、社内で男と女の関係になって楽しいと思うのは、セックスした次の日にお互いそ知らぬ顔をし合うことだと俺は思ってる。
夕べは、あんなに盛り上がって身体と身体と擦りつけ合っていたのに、「そんなことありませんでしたよ」みたいな他人の顔して挨拶を交わす。
デスクについて、書類や今日訪問する先への準備を進めながら、立ち話をする沙希を盗み見する。
黒のスーツにカーキのカットソー。カットソーの下のDカップの豊満な胸を思い浮かべる。
スラリとした身体つきなのに胸だけでかいから、やらしい身体だ。
髪をかきあげると、耳のピアスがチラっと光った。その耳の付け根あたりのうなじに、昨日俺がつけたキスマークが結構しっかり残っているのが見えた。
・・・くだらない嫉妬心。独占欲。
少なからずとも、沙希に他の男疑惑を感じる前まではなかった感情だ。
持ってる玩具を取り上げられるような焦燥感。俺は子供か。
沙希が快楽の真っ只中にいる時にしか、問いただせない俺。
素面の時に聞いてあっさり肯定されるのなんか、嫌だ。
・・・俺は、逃げてるんだ。
沙希からも、自分の気持ちからも。
好きかどうか、好きでいてくれてるのかどうか確信できない気持ちに、立ち向かえない。


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